門司港駅舎を復原、よみがえった「大正」の風格

レトロな外観だが、中に入ると「スタバ」が

風格を保ち大正ロマンをにじませる姿に復原された重文の門司港駅舎(撮影:久保田 敦)
鉄道ジャーナル社の協力を得て、『鉄道ジャーナル』2019年6月号「北九州の新たな表情」を再構成した記事を掲載します。

3月ダイヤ改正翌日の17日日曜日、門司港に向かうため小倉駅ホームに立つと、昼時なのに列車は朝ラッシュのような混雑を呈していた。復原修理が完成し、3月10日にグランドオープンを迎えた駅舎を見物する人出にしては多すぎるが、じつは門司港レトロ地区で北九州ラーメン選手権ともう1つのイベントが開催されていた。

とはいえ、どちらも門司港駅舎復原オープンのイベントに位置付けられ、まったく無関係なわけではない。そして、門司港駅を玄関として再生された門司港レトロ地区がこうしたにぎわいを集める場所になっていることは間違いない。

東京駅よりも早く重要文化財に

JR九州鹿児島本線起点の門司港駅は、明治年間の1891年に開業した。当時は本州との往来は船だったため、23年後の1914年2月1日に連絡船との接続に適した岸壁側の現在地に移転され、2代目現駅舎の使用が始まった。

大正モダンを反映する荘重なネオ・ルネサンス様式で、九州全体の起点にも位置付けられる主要駅として、皇族や要人を迎える貴賓室を有した。その美しさと価値から、JR発足直後の1988年に国の重要文化財に指定された。東京駅の重文指定より15年早い。

クラシカルな門司港駅ホームにドッと吐き出された人々は、くし形ホーム根元の自動改札から駅舎を通って駅前広場に流れ出し、イベント会場へと道路を渡ってゆく。だが、門司港地区の代表的建築の復原が周知されていないわけはなく、多くの人々が往時の空気を醸す駅内で立ち止まり、駅を出ては振り返ってスマホを向けている。

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