日経平均は3日続伸、終値で2万2000円を回復  中国景気への底入れ期待、TOPIXも年初来高値

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 4月15日、東京株式市場で日経平均は大幅に3日続伸した。写真は都内の株価ボード前で2014年4月に撮影(2019年 ロイター/Issei Kato)

[東京 15日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は大幅に3日続伸した。約4カ月ぶりに2万2000円を回復し、終値ベースでの年初来高値も2営業日連続で更新した。欧米市場で広がったリスク選好の流れが日本株にも波及。為替が円安基調を維持したことも支えになった。中国景気の底入れ期待の高まりを受け、機械、電機セクターの銘柄を買う動きも目立った。

日経平均は一時2万2211円03円まで上昇し、取引時間中として昨年12月4日以来の高値をつけた。抵抗線とみられた200日移動平均線を上抜けたことでショートカバーが加速。「4月は海外勢が買い越す特異月でもあり、需給面での懸念も乏しい」(アイザワ証券日本株ストラテジストの清水三津雄氏)との見方が広がった。

午後にかけて、為替が1ドル111円後半で落ち着いた動きとなったことや、中国株が堅調に推移したことも安心材料となった。市場からは「先日IMF(国際通貨基金)が世界経済見通しを下方修正したが、中国は今年の見通しを上方修正していた。昨年秋以降、政府が打ち出してきた経済対策の効果がじわりと出始めている」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券のシニア投資ストラテジスト、荒井誠治氏)との声があった。

TOPIXも大幅反発。ザラ場ベース、終値ベースともに年初来高値をつけた。東証33業種全てが値上がりする全面高商状。鉱業、倉庫・運輸関連、保険、機械、非鉄金属などが値上がり率上位に入った。安川電機<6506.T>、SMC<6273.T>、不二越<6474.T>などの中国関連株も上昇した。

日米の新たな貿易協定交渉については「決着するには時間がかかる話で、企業のファンダメンタルズには必ずしも一致しない。先行きを見極める上では、中国の景気や企業収益が最も重要だ」(UBSウェルス・マネジメント、ジャパン・エクイティ・リサーチ・ヘッドの居林通氏)との指摘があった。

そのほか個別銘柄では、スズキ<7269.T>が大幅続落し、一時約2年ぶりの安値をつけた。12日に2019年3月期に約800億円の特別損失を計上すると発表したことが嫌気された。新車出荷前に行う完成検査の不正により、1回目の車検を受けていない車両200万台を近くリコール(回収・無償修理)する。

東証1部の騰落数は、値上がり1910銘柄に対し、値下がりが190銘柄、変わらずが41銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      22169.11 +298.55

寄り付き    22122.97

安値/高値   22102.93─22211.03

 

TOPIX<.TOPX>

終値       1627.93 +22.53

寄り付き     1624.25

安値/高値    1624.18─1632.19

 

東証出来高(万株)122562

東証売買代金(億円) 23924.34

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