廃止された鉄道の「復活」はどうすれば可能か 再開させるための法律は今のところないが…
2018年3月末にJR西日本の三江線が廃止されたのに続き、今年3月31日をもってJR北海道・石勝線の夕張支線である新夕張―夕張間が営業運転を終えて廃止され、翌日からバス転換された。
1990年代に鉄道業界にも規制緩和を導入する考えが入り始めると、2000年3月の鉄道事業法改正によって鉄道事業の休止や廃止に関する規制が「届出制」に緩和され、不採算路線の廃止が進むようになってしまった。
一方で、2007年10月には「地域公共交通活性化再生法」が施行され、「試験増発」や「試験運行(運航)」など、鉄道を含めた公共交通の存続・活性化に向けて努力している地域や事業者に対して手厚く補助するようになった。
また、2011年4月からは「地域公共交通確保維持改善事業」がスタートした。この事業では「試験増発」や「試験運行(運航)」に対する補助金は支給されなくなったが、「バリアフリー」や「非接触式乗車券の導入」などに対しては補助金が支給されるようになった。
廃線の復活はできるのか
このように、従来と比較すれば、政府も遅ればせながらではあるが、公共交通の重要性に理解を示すようになってきている。
だが、鉄道を廃止してバス化したことで、人口が増えた沿線や地域などは、ほとんど無いと言っても過言ではない。鉄道は社会インフラであり、存続している間はあまり恩恵を感じていなかったものの、廃止されてから後悔する自治体もある。復活が可能な方策も必要であろう。
しかしながら地域公共交通活性化再生法や地域公共交通確保維持改善事業は、廃止された鉄道を復活させるための法律や制度ではない。そこで今後、廃止された鉄道を復活させるための法整備や、そのための財源の確保はどのように進めるべきかを考えたい。
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