北海道夕張支線、二度と響くことのない警笛

「攻めの廃線」は各地でモデルケースとなるか

3月31日で廃線となったJR石勝線夕張支線の夕張駅を発車する最終列車(記者撮影)

「廃止になるっていうんでこんなに人が来てびっくり。嘘みたいだよ本当に。今まではいつも私1人だったんだよ」。3月31日、北海道夕張市を走るJR石勝線夕張支線の最終日。終点の夕張駅近くに住むというお年寄りは、この日で最後となる列車を線路際で見送りながらこう言って笑った。

廃線前の「お別れ乗車」客増加を受けて3月中旬から増発された列車は、どの便も軒並み満員。夕張駅周辺の線路際は、列車が発着するたびにカメラを構える鉄道ファンや地元住民などで埋め尽くされ、駅前には乗車待ちの人々が列をなした。

午後7時28分発の最終列車には約500人が乗車。夕張が映画『幸福の黄色いハンカチ』の舞台となったことにちなむ黄色いペンライトの光とハンカチの波、そして「ありがとうー!」の声に包まれながら、列車は定刻より6分遅れの7時34分、二度とこの街に響くことのない長い警笛をこだまさせ、夕張駅を後にした。

石炭産業を支えた鉄路

夕張支線は、JR石勝線の新夕張駅から夕張駅まで約16.1kmを結んだ路線。1892(明治25)年11月、夕張炭山で産出される石炭輸送を目的として、当時の北海道炭鉱鉄道によって追分―紅葉山(現・新夕張)―夕張間が開業した。かつては「夕張線」と呼ばれ、戦前から戦後の高度成長期にかけて日本の基幹産業であった石炭の輸送を支える重要な路線だった。

だが、石炭産業の衰退とともに輸送量は減少。1981年には石勝線の開業により新夕張―夕張間は同線の支線となった。自動車交通の発達や人口の減少も進み、1975年度に1日1キロ当たり2318人だった輸送密度は、国鉄からJRに移行した1987年度には1129人に、さらに30年後の2017年度には69人まで減った。

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