統一地方選、安倍政権「実力者3人」に明暗

野党は共闘の足並みに乱れ、与党に安堵感

大阪ダブル選挙で当選確実となり、記者会見する地域政党「大阪維新の会」の松井一郎氏(左端)と吉村洋文(同2人目)(写真:時事通信)

「亥年選挙」の初戦となった統一地方選前半戦の11道府県知事選、6政令市長選などが7日、投開票された。

最大の焦点だった大阪府知事・市長ダブル選は、大阪都構想実現を目指して立場を入れ替えて立候補した吉村洋文前同市長(43)と松井一郎前大阪府知事(55)の大阪維新コンビが、自民党を軸とする「維新包囲網」を突破して圧勝した。

一方、自民実力者も絡む激しい保守分裂選挙となった福岡県知事選では、現職の小川洋知事(69)が、麻生太郎副総理兼財務相の意向を踏まえて自民党本部が推薦した新人候補を圧倒的大差で退けて3選を果たした。今回の知事選で唯一の与野党対決として注目された北海道知事選は、与党が推薦した新人の鈴木直道前夕張市長(38)が、同じ新人で野党統一候補となった石川知裕元衆院議員(45)に大差をつけて初当選した。

野党は参院選の態勢を立て直し

与野党が「反維新」で結集した大阪と、地元の「反麻生連合」が結成された福岡に、安倍晋三首相の政権運営とも絡んで永田町の関心が集中したが、大阪では維新が勝利、福岡では麻生氏の落胆ぶりが際立った。

首相や自民党首脳にとってどちらも苦い結果だが、維新との太いパイプを維持する首相官邸や、候補擁立での麻生氏のごり押しに不満を隠さなかった自民党本部は、「ある程度予想されたこと」(選対幹部)と冷静に受け止めている。投開票直前に事実上更迭された塚田一郎・前国土交通副大臣の「忖度(そんたく)発言」の影響が軽微だったこともあって、安堵の表情を浮かべている。一方、唯一の与野党対決で敗れ、選挙戦全般でも存在感が希薄だった主要野党の意気は上がらず、野党共闘の困難さも浮き彫りになったことで、参院選に向けての態勢立て直しを迫られている。

大阪ダブル選で吉村、松井両氏が予想を超えて圧勝したことで、大阪での維新人気の根強さを見せつけた。同時に行われた府議選では維新が過半数を獲得、市議選でも過半数まで2議席と勢力を拡大した。「悲願の大阪都構想実現への展望も開けた」(維新幹部)ことは間違いない。主要野党も巻き込み、与党は維新降ろしをもくろんだが、維新側の「野合批判」と陣営内の足並みの乱れによる惨敗に意気消沈している。

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