無印、銀座に「MUJIホテル」を開業した真意

過去最高益続くが、銀座で「新ブランド戦略」

良品計画はMUJIホテルの今後の出店計画を明らかにしておらず、中期的には業務用事業(B to B)の強化にもつなげる構えだ。現状、小売り事業(B to C)が売り上げのほとんどを占める同社だが、業務用事業でオフィス向けの雑貨販売などを手掛けている。以前から、「ホテルを開業するので無印ブランドで備品をそろえたい」といった声が多々寄せられていたという。

今回のホテル出店に伴い、ドライヤーなど業務用の品質基準をクリアした商品も開発しており、ホテル事業者向けの販売も模索する。

地下1階はレストラン「MUJI Diner」に

銀座の新築ビルの低層階には、無印良品の世界旗艦店も同時オープンした。1階から5階では食品や衣料品、生活雑貨を販売。地下1階には、朝食セットや日替わり定食を提供するレストラン「MUJI Diner」を開業した。

店舗に一歩入ると、どのフロアも高い天井に木目調の床という“無印空間”が広がる。売り場の目玉は1階の食品コーナー。青果や加工食品のほか、日替わり弁当やベーカリーまで並ぶ。季節の素材を活用したジューススタンドも設置されている。コンビニや早朝営業の飲食店が少ない銀座エリアの環境を踏まえ、レストランとベーカリーは朝7時半からオープンする。

青果や加工食品のほか、日替わり弁当、ベーカリーまで並ぶ食品コーナー(撮影:今井康一)

もともと有楽町駅前には、「無印の聖地」と言われた有楽町店があったが、東京都の再開発計画に伴い昨年12月に閉店。周辺エリアで移転先を探した結果、読売新聞と三井不動産が開発する今回のビルへの出店を決定した。投資額は非公表だが、同社にとっては過去最大のプロジェクトとなる。有楽町店の約2割増にあたる年間230万人の来場者を見込む。

「わけあって、安い」をキャッチフレーズに1980年に西友のプライベートブランドとして誕生した無印。2018年11月末時点では国内423店舗、海外482店舗に達し、前2019年2月期は過去最高益を更新したもよう。銀座の一等地に新旗艦店を開業した裏には、旺盛なインバウンド需要を取り込みたいという意図も透ける。だが、今回の出店は別の狙いもある。

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