30代以下の「賢い」保険との付き合い方超基本 手取りが増えない時代のお金の使い方とは

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ただし、高額療養費制度は年収によって自己負担額が変わってきます。ほかにも、医療費以外のベッド代、入院中の食事代などは別途加算されます。

また、公的医療保険適用外の治療を行う場合には、高額療養費制度は適用されません。高額療養費制度はあくまで世に一般的に広まっている治療に適用されるものです。先進医療やレーシック手術、インプラント治療などは自己負担となります。もちろん、そういったようなさまざまな条件があることも気にしておかなければいけません。

とはいえ、会社勤めであれば、月のお給料が20万円でも毎月3万円も引かれている社会保険料。こういった公的制度があることをしっかりと理解し、まずは最大限有効活用しつつ、こういった制度があるとわかったうえで民間の保険に入るべきか入らないか検討していくようするといいでしょう。

「お金」は人生の選択肢を増やすためのもの

最近はキャッシュレス化が進み、さまざまな新しいお金のサービスも増え、「お金離れ」とは言われているものの、異なる意味ではスマホ1台でお金が使えるなど、今までよりもお金が身近になっている部分もあります。

そんな中で、今回お話ししてきた「保険」という病気やケガに備えたお金の支出の考え方だけでなく、公的な制度であったり、自分たちが普段の生活で利用しているお金のサービスの仕組みであったり、お金の基礎的な知識を身に付けることの重要さも、一段と増してきているのです。

お金の知識やお金との向き合い方は、学校や家庭などでなかなか教わらずに大人になってしまいます。自分自身でしっかりとお金と向き合わなければ、「お金離れ」がさらに進んでしまうことでしょう。

そして、手元に残るお金がどんどん減ってしまう中で、ただやみくもに貯金するのではなく、自分にとってのお金の貯まっている状態を定義し、投資やキャリアプランの見直しをするなど、お金を増やしていくことを考えていくことも大事です。

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少子高齢化や年金問題、今の日本の経済状況を見ても、いきなりこれから景気がよくなり、今後普通に過ごしていれば満足のいく収入がすぐに手に入るということは、悲しいですがなかなか難しいというのが現実。

「お金」によって苦しむことも悩むことも多いですが、「お金」は人生の選択肢を増やしてくれるものです。お金そのものも、そして知識もあればできることも増え、なければやりたくてもできないことが増えてしまいます。

今後の人生の選択肢を増やしていくためにも、しっかりと自分のお金と向き合い、上手に付き合っていきましょう。

横川 楓 ミレニアル世代のお金の専門家
よこかわ かえで / Kaede Yokokawa

1990年東京都生まれ。明治大学法学部卒業後、同大学院へ進学、24歳で経営学修士(MBA)、ファイナンシャルプランナー(AFP)を取得。そのほか、マイナンバー管理アドバイザー、マネーマネジメント検定などの資格も保有する。また、在学中には地下アイドルの経験があり、ライブ活動などを行うなどの異色の経歴を持つ。現在はとくに若い世代やお金のことをあまり知らない世代へお金の知識の啓蒙活動を行ない、ミレニアル世代のお金の専門家/経済評論家として活動中。「お金のことを誰よりも等身大の目線でわかりやすく」がモットー。

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