パチンコの「MAX機」は一体何がまずかったのか

全国に違法機があふれかえってしまった事情

この確率は各機種ごとに公開されており、規則上400分の1が限度とされていたのだが(2004年の規制緩和で500分の1が上限となったが、あまりにも波が荒くなりすぎたため、2005年に400分の1に規制された)、MAX機は大当たり確率がこの限界値に設定されていることが多かった。

ただこの400分の1というのはあくまで表面的な値で、ユーザーが期待しているのは「連チャン(連続チャンスの略)」と呼ばれる大当たりが連発する確変モードに突入することで、この確率はおおむね650分の1〜750分の1に設定されていた。

2つ目は「ベース」と呼ばれる、投じた玉が大当たりではない通常の状態時にどれだけ返ってくるか、ということを示す指標だ。例えば100玉投じて、大当たりがなくとも40玉返ってくれば「ベースは40」というように表現されることになる。この場合、100玉投じても返ってくるものを考えると、実質的には100-40で60玉しか投じていないことになるので、玉が減っていくスピードが遅くなることになる。

先ほどの大当たり確率が「パチンコ台がどれほど負けをためこめるか」という指標なのに対して、こちらは「どれだけのスピードで負けていくのか」ということを表すことになる。このベースの値は個別の遊技機ごとに微妙に異なり、ユーザーからしてみれば打ってみなければわからないものなのだが、警察としてはおおむねこのベースの値が「35」を下回らないようにするための規制を設けていた。

と、理屈ばかり述べてわかりづらいので実機の例を見てみよう。ある代表的なMAX機の大当たり確率は397.2分の1となっており、大当たりに当選すると約1560個、1玉4円であるから6240円弱で当たることになる。そしてここから連チャンモードへの突入率は50%とされているので、397.2分の1に50%をかけた「794.4分の1」が連チャン突入率となっている。

一度の大当たりで10万円も夢ではない

一度連チャンに入ると82%で継続し、そこから1÷(1−0.82)で、5.55回弱の大当たりが繰り返されるので、初回当たり時の影響を加えて、おおむね6240円×(1+5.55)=4万0872円相当のパチンコ玉が払い出されることになる。これはもちろん平均の値なので、実際にはどれだけ勝てるかはその都度違い、分散するわけで、多いときには連チャンが10回、20回続くこともありうる。

簡単に計算してみると、一度連チャンモードに入ってしまえば、20%の確率で大当たりが10回(6万2400円相当)、5%の確率で大当たりが17回(10万6080円相当)続く可能性があることになり、一度の大当たりで10万円も夢ではないという、ギャンブル性が高い機種ができあがる。

ただこれだけ大当たり時、特に連チャン時に爆発するギャンブル性が高い機種を作ると、その代償として、本来はゲームのスピード性がそがれることになる。

例えば、代表的なMAX機の例で言うと、ユーザーが投入する玉(アウト玉)と払い出される玉(セーフ玉)が一緒になる採算ラインのボーダーは、1000円(=250玉)あたり16.2回、100玉あたりだと6.5回、抽選が行われることである。ボーダーは、これ以上大当たり抽選が回ってしまうと、パチンコホールは赤字になってしまうラインである。

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