二階氏「安倍4選ありうる」発言にざわめく自民

言いたい放題の二階氏に「幹事長交代論」浮上

こうした騒動を踏まえ、当事者である安倍首相は20日、都内のホテルで開かれた日本商工会議所の会合で「連続3期9年までというのが党の明確なルールだ。正真正銘、(現在の)3期目が最後の任期となる」と4選を明確に否定してみせた。安倍首相同様、異例の3期目に臨む三村明夫日商会頭の例を挙げ、「三村会頭は『マックス(最大)であと1期』とおっしゃったとうかがった。私もまったく同じ心境だ」と困惑気味の笑顔で語った。 

ただ、二階氏の4選発言以降、安倍首相の反応が微妙に揺れているのも事実だ。13日の参院予算委では、企業の高齢者雇用に関連して「私も今年65歳になるが、まだ働きたい(という)意欲は満々だ」と、4選に前向きとも受け取れる発言をして委員会室をざわめかせた。

翌14日の同委では「自民党の規約で(総裁連続)4選は禁じられている。ルールに従うのは当然だ。3選を果たしたばかりで、最後の任期に結果を出すことに全力で集中したい」と軌道修正した。

首相サイドは「参院選を控えて、有権者の反安倍ムードを拡大させかねないとの懸念から、完全否定せざるをえなかった」(細田派幹部)と指摘すると同時に、「最近の二階氏の言動からみて、今回の『4選ありうる』発言は、首相にとっても迷惑なはず」(同)と顔をしかめた。

「ポスト安倍」レースは混戦模様

二階氏は2016年夏の幹事長就任直後から、連続2期までだった総裁任期を連続3期までに延ばす党則改正を主導し、昨年9月の首相の総裁3選を実現させた。権謀術数を駆使する二階氏の言動は党内でさまざまな軋轢も生んでおり、今回の4選発言も「参院選後の人事での幹事長続投を狙ったもので、『首相が続ける限り、自分も続ける』との強いメッセージ」(自民幹部)とみる向きが多い。

ここにきて二階氏は、小池百合子東京都知事の「再選支援」発言で自民党都連の反発を買い、旧民主党の細野豪志元環境相の二階派入りなど非自民議員の取り込みでは、選挙区の公認問題での派閥対立の原因をつくっている。

このため党内からは「これ以上やりたい放題を許すべきではない」(閣僚経験者)との声が噴出し、参院選後の幹事長交代論も浮上している。人事権者の首相も「対応に苦慮している」(側近)とされるが、当の二階氏は「素知らぬふり」(二階派幹部)で言いたい放題が収まる気配はない。

次ページ露呈する「ポスト安倍」候補不足
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