深川で「日本のワイナリー」が生まれた納得理由

「第2のブルックリン」とも言うべき可能性

「日常のちょっとしたハレの日に飲んでもらえたらな、という気持ちを込めています。本当はそれでも高いと言われると思いますが、うちの規模ではそれ以上安く売ることはできないので」(中本氏)

ブドウの発酵過程(筆者撮影)

生産規模は年間でおよそ4万8000本。原料のブドウは大阪、山梨、長野、山形、青森、北海道など、国内の主要なブドウ産地から冷蔵輸送している。また必ずしも日本ワインのみにこだわっているわけではない。国内の産地から得られない冬場は、オーストラリアやニュージーランドなどから冷凍のブドウを仕入れているそうだ。

日本ワインは一般的に海外のワインに比べ糖度が低いため、基本的に軽い仕上がりになる。さまざまなワインをつくってみたいという思いから、海外のブドウも扱うことにしたそうだ。

お気づきのことと思うが、1本2000円のワインで同社の規模だと、ワイナリー事業だけで大きな利益を出すことはできない。利益のうえで柱となっているのが飲食店事業だ。同社では3つのレストランでそれぞれ、コンセプトや価格設定を変えている。

将来的には、屋上ブドウ園のブドウでワインの醸造も

「まず伊丹空港のワイナリーは南イタリア料理のレストランです。一期一会のお客様ですね。単価は2000~2500円。空港内のワイナリーという付加価値から、多いときで80万円の売り上げがあります。九吾郎ワインテーブルは近隣の人を中心に、デイリーに利用してもらいたいので、単価を4000円ぐらいにしています。ワイナリーのワンコインバルは3000円。完全予約制レストランはコース料理で、飲み物を合わせて6000円ぐらいです」(中本氏)

伊丹空港で醸造されているワイン。オーストラリアのリバーランド産のブドウを使用。チケットのようなラベルが個性的だ。なお、QRコードを読み込むと伊丹空港のワイナリーのウェブサイトにジャンプする(筆者撮影)

なお、3月30日からはもっと気軽に楽しめるワインガーデンが門前仲町駅前に展開される。同社では2018年より駅上のビル屋上にナイヤガラ、デラウェアといった50本のブドウの苗を植え付け、ブドウ園をつくるとともに、7月には5カ月の期間限定ワインガーデンを展開した。

今回はその第2弾としてリニューアルオープンされるもの。東京都と中小企業振興公社による助成事業を活用し、ギョーザやジビエ料理の店など3店舗とともにワインを楽しめる「屋台村」として展開され、夏までの開催期間を予定している。

「屋上ブドウ園のほうでは、まだワインとして販売できるほどブドウができませんが、将来的には、このブドウでワインを醸造したいと考えています」(中本氏)

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