「優しくてすてきな女性でしたね。僕とは価値観が合っていたと思います。お互いに飲食が好きだったので天ぷらなどをよく食べに行っていましたし、横柄な人が嫌いだという点でも一致していました」
彼女とは2年間も付き合い、お互いをよく知ることができた。好きという感情もあった。だから修さんは結婚を考えていたが、彼女からは「もう少し1人でいたい。私も海外に1人で行ったりしてみたい」という返事。修さんは納得したうえで別れたと淡々と振り返る。
「僕もバックパッカーでよく海外に行っていました。それを彼女もやりたいというならば仕方ないでしょう。1人でしか経験できないこともありますからね。若いうちにどんどんやればいいと思います」
寛大で公平な態度ともいえるが、自らの恋愛に対して他人事すぎる気もする。修さん、ちょっと不思議な人だ。
その後、また合コンで9歳年下の看護師と出会い、付き合い始める。修さんが35歳のときだった。しかし、休みの日が合わずにすれ違う日が続き、自然消滅してしまった。このときも修さんは「去る者は追わず」という達観した姿勢だったのだろう。
そんな修さんが夢中で婚活を始めたのは37歳になってからのことだ。気さくで付き合いやすいキャラクターの修さんは、年下の友人からも合コンに誘われることが多い。しかし、20代前半の女性もいる合コンに参加して、「若すぎる。子どもに見えてしまう。こんなところにオッサンが行っても仕方ない」と急に感じてしまったという。
筆者も修さんと同世代なのでよくわかる。20代前半の女性は確かにかわいい。肌もツヤツヤだ。しかし、世代も社会人経験も違いすぎるため話が合わない。無理に話そうとすると、どうしても上から目線になってしまう。そんな相手と長期間にわたって支え合うのは難しいと感じる。恋愛はできるかもしれないが、結婚は無理かもしれない。
がむしゃらに婚活したものの…
合コンの場から離れた修さんの婚活はがむしゃらだった。婚活アプリは複数のサービスを並行し、婚活パーティーやシングルスバーにも通った。
「やるからにはとことんやってやろうと思いました。自分でも独身限定のパーティーを主催したことがあります。20人ぐらいは集まってくれました」
しかし、3年間で1人も交際することはなかったという。一緒に食事に行った女性はたくさんいて、好意を示してもらったこともあった。
「僕はピンと来なかったので『ちょっと考えさせてください』と言うことが多かったです。次に付き合う人とは結婚しようと思っていたので、安易なことはできません。手もつないだことがない人と3回目のデートで結婚前提の交際を始めるなんて、僕には無理です。結婚願望はありましたが、焦りはなかったんです」
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