卒婚願望アラフィフ夫婦が定年前にすべきこと 50代昭和型夫婦はこのままだと老後がヤバイ
「下りのエスカレーター」に乗ってしまったガラパゴス夫婦がすべきことは、なんと言っても、経済的に夫婦円満になることです。
長年蓄積してきたお互いへの感情は、スタート地点に戻れるものではありません。ここでの夫婦円満とは、残りの人生で経済的な損失を出さないよう互恵関係を築くことです。実際は夫婦仲が冷え込んでいても、いまさらやり直しはできません。ですから、あえて互いに利益を得るパートナーシップを築いていくと腹をくくることが、残りの長い人生を幸せに過ごすために最も必要なことではないかと思います。
1人より2人のほうが断然コスパがいい
生命保険文化センターの調査によると、老後生活に不安を感じている人の割合は男性82.1%、女性88.4%と、ほとんどの人が不安を抱えています。なかでも、公的年金では不十分と考えている人は、8割以上に上っています。
総務省が行った2017年「家計調査年報」によると、世帯主が60歳以上で無職世帯(世帯員2人以上)の家計収支は1カ月に約6.1万円、単身無職世帯では約4.1万円の赤字です。1人で暮らすより2人のほうが、コスパがいいことは明らかです。
現在、国民年金は65歳から支給開始です。会社員が加入する厚生年金については、生年月日(男女別)により支給開始年齢が異なります。生まれが1961(昭和36)年4月2日以降の場合、65歳からの支給開始となります。
政府は「65歳までの雇用機会の確保」や「70歳までの雇用促進の検討」を進めているので、60歳以上の雇用環境については心配ないように感じます。しかし、厚生労働省の平成29年就労条件総合調査の概況によると、「65歳以上」を定年としている企業の割合は17.8%、「60歳」としている割合は79.3%と、60歳定年が未だ圧倒的多数です。
つまり、自動的に65歳までの雇用が確保されているのではなく、年金空白期間の60歳から65歳までをどう乗り切るかが課題の1つです。
前段階として、50代は定年に向かって、会社のさまざまな制度に向き合うことになります。例えば、55歳が役職定年の場合、「〇〇部長」と呼ばれていたのが「〇〇さん」になり、給料も半減というのはよく聞く話です。これまで安定したポジション、給料の恩恵を受けてきた人は、55歳からこうした処遇で保たれてきたプライドを捨てることです。
収入の柱が夫の給料だとしたら、夫をサポートすることも妻の大きな役目となります。夫がなるべく長く働けて、家庭で居心地よく過ごせるように気遣うことのほかに、夫の会社の制度を理解しておくことも重要です。
役職定年、継続雇用制度、定年延長制度、企業型確定給付年金、企業型確定拠出年金(401K)や、公的制度の在職老齢年金、高年齢雇用継続給付金なども押さえておきたいところです。事前に知っておけば、ある日給料が減っても、かける言葉を選ぶことができるものです。
また、妻自身がいざというときのために地元地域のつながりを築いたり、夫婦の健康を維持するための食事管理を気遣うなど、無形資産を築くことも意識して進めておきたいところです。夫婦で同じ船に乗っていることを自覚し、泥船にならないようパートナーシップを組むことは、ガラパゴス夫婦に残された有効な対策ではないでしょうか。
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