日本がマレーシアに「洋菓子のW杯」で負けた理由 アジアナンバーワンの座を奪い返せるか
洋菓子の国際大会として世界中から注目される「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー」(フランス語で「パティスリーのワールドカップ」)。1989年に始まった「洋菓子のW杯」とも呼ばれるイベントで、2年に一度、フランス・リヨンで開催される。
2019年は21カ国が参加。1月27、28日の2日間に分けて行われた。パティシエ3人がチームとなり、10時間以内に、6つの課題作品(氷彫刻・チョコレート細工・あめ細工・チョコレートケーキ・アイスケーキ・皿盛りデザート)を作る。
味・ビジュアル・オリジナリティーなどが審査され、得点を競った。会場は、世界最大級(来場者数20万人以上)の外食産業向け展示会「SIRHA(シラ)国際外食産業見本市」内の特設ステージだ。
日本はいつも優勝候補
実は日本はいつも「優勝候補」だ。アジアナンバーワンの上位常連国で、1991年と2007年に優勝、準優勝は7回。日本人パティシエのパフォーマンスは世界のパティシエをうならせている。
近年の日本は、3大会連続で準優勝だった。2019年は、強豪・フランスチームが参加しない、とあって(大会ルールで前年度の優勝国は出場しない)「今年こそは優勝か」と関係者の期待を集めたが、結果は準優勝。では優勝した国はどこだったのか。それが、マレーシアだった。
「世界中のパティシエが、優勝を夢見る大会です。私の最大の目標もクープ・デュ・モンドでの優勝でした」。そう話すのは、2007年大会で20カ国を破り、優勝を勝ち取った日本チームのメンバー・市川幸雄さん(帝国ホテル 東京)だ。当時、日本チームの優勝は、世界のメディアに報じられ、ホテルのチョコレートが1カ月以上すぐに品切れるほどの反響だった。
今年の大会で日本チームはアメリカ、イタリア、ベルギーら11カ国とともに初日に出場、安定したチーム力と技術を見せつけたが、迎えた翌日、いきなり頭角を表したのがマレーシアだった。
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