“出直しLCC”バニラエアに乗ってみた 及第点のテイクオフ、独自性確立が今後の課題

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機内では、バニラ風味の特製とろ~りクリームパン(左下、1個200円)などが食べられる(撮影:鳥海高太朗)

それに対し、バニラエアの機内で販売される食事メニューの構成や機内販売商品のラインナップを見ると、ピーチに近い印象を受ける。

バニラエアの機内サービスは、すべての項目において平均点以上になったが、ずば抜けた部分もなく、目新しさが感じられない。現在のバニラエアは、全世代をターゲットとしているために顧客層が明確化しておらず、これが平均点型のサービス展開になっている理由だと考えられる。

ピーチは若い女性をメインターゲットに据え、機内もそれを意識したインテリアにしたことなどが奏功し、女性の利用者が増え、機内の雰囲気がよくなり、結果的に全世代に支持される航空会社へと成長した。さらに、こうした戦略がメディアで大きく取り上げられ、新たな利用者を呼び込むという好循環が出来上がっている。メディアが取り上げたいと思うような新サービスの創出が、これからのバニラエアには求められる。

旧エアアジアは、真っ赤な制服でインパクトも大きかったが、肝心のサービス面や遅延・欠航などといった運航管理面の問題で利用者が伸び悩んだ。バニラエアでは、こうした点は改善された一方で、インパクトが薄くなってしまった感がある。リゾート路線が中心ということで、機内に入った瞬間からリゾートの雰囲気を醸し出すような仕掛けが、リピーター確保のために不可欠だろう。

年末年始の出足は順調

独自の機内サービスに改善の余地があるバニラエアだが、数字上は順調なスタートを切ったといえる。12月13日に発表された年末年始(12月20日~1月5日)の予約状況は、沖縄線が81.2%、台北線においては91.1%という高い数値となった。

旧エアアジアにおける前年の年末年始の利用実績(確定値)が国内線77.4%、国際線72.2%だったことを考えると、順調な予約率である。特に台北線は満席の便も多く、基幹路線になることは間違いなさそうだ。

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