日本の地価「一瞬でわかる!」過去30年の全推移 2.6万地点の「公示地価」を3Dマップで全解剖

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リーマンショックの直後である10年前(2009年)や20年前(1999年)との比較では、暖色(黄色〜赤)で示された上昇地域と寒色(水色〜青)の下落地域に二分されていることが見て取れる。どの地域にも共通するのは、利便性の高い中心部ほど地価が回復し、郊外ではいまだに下落基調が続いていることだ。

特に価格が上昇した地域は大阪、愛知、京都など西日本の都市部だった。例えば大阪市中央区の心斎橋筋2丁目にある土地では近年急速に価格が上昇し、最新では1590万円と20年前(521万円)の3倍以上となった。

住宅地における10年前(2009年)との地価比較。価格が上昇した都市部と下落した郊外に二分化している

不動産バブル全盛期の30年前と比較してみると…

これが30年前(1989年)との比較になると一変し、地図は濃い青(著しく価格が下落した地域)であふれる。不動産バブルの真っただ中にあった当時は、土地の価格は決して下がらないとする「土地神話」が隆盛を極めていた時期だった。10年前・20年前比とは対照的に、地価高騰の影響を強く受けた都市部ほど価格が下落していることがわかる。

特に商業地は、もはや上がっている地点を探すのが難しいほどだ。比較可能な1579地点(すべての用途を含む)のうち、価格が上昇したのはわずか36カ所。愛知県豊田市や福岡市などの地方中核都市の住宅地が主だった。

30年前(1989年)との比較。不動産バブルの影響を強く受けた都市部ほど価格が下がっている
荻原 和樹
おぎわら かずき / Kazuki Ogiwara

2010年筑波大学卒。共著に『プロ直伝 伝わるデータ・ビジュアル術』(技術評論社)。

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