50代以上の親の卒婚後恋愛がかなり厄介なワケ 20代30代の子供は手放しで喜んではいけない

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今の時代、女性は2人に1人、男性は4人に1人が90歳以上も長生きしています。今後、寿命はまだまだ延びると予想されています。しかし、2017年に厚生労働省が発表した「高齢社会白書」によると、「健康寿命」(日常生活に支障がない期間)の延びが、平均寿命に比べて低いそうです。

健康寿命は男性が71.19歳、女性が74.21歳(平均寿命は男性81.09歳、女性87.26歳)ですから、それぞれ10年以上も「不健康期間」を送らなくてはならないのです。

介護にかかる時間や費用は予期せず、子どもたちの家庭に重くのしかかります。それが、子ども夫婦の不和原因にもなりかねません。90歳まで長生きする人が多いということは、健康寿命と照らし合わせてみると、約20年間も介護生活が続くかもしれないということです。それはちょうど、子どもにとってのセカンドライフの準備や第2の青春の時期に重なります。さらに、若いときにはわからない体の異変も生じますし、精神にも影響を及ぼすので注意が必要です。

そんな事態に備えるにはどうしたらいいのでしょうか。介護生活を抱えた諸先輩は、「親が元気なうちに話し合いをしておけばよかった」と、口を揃えて反省しています。特に親が離婚・再婚するときは、その時点でしっかり話し合いをしてください。

親の離婚時に考えたい3つの問題とは

介護期間が長引くことで、介護する人から奪われるのは、「自由な時間」「健康」「介護費用」の3つです。それが義理の親に対してなら、前出の猿翁さんと香川さんのケースのように、自分たちの離婚リスクが高まります。それを回避するには、「問題の把握」と「事前準備」でしょう。

とくに、親が離婚するときには、将来の「介護費用」や「介護方法」について話し合いをしておくこと。そして、親にも資金の準備をしっかりしてもらうことです。親がまだ50~60代なら、老後資金を多少でも準備する期間は残っています。中には、新しい恋人に財産をつぎ込んでしまう人もいます。ですから、子どもが親の出費を「監視してあげる」ことも時には必要です。

生命保険文化センターの調査によると、月額の介護費用負担額は平均7.9万円。年間約95万円となり、20年間続くと1人1896万円にもなります。果たして、親たちはこれだけのお金を準備しているのでしょうか。

しかし、私たちアラフィフ世代が老いを迎えるとき、今の老人世代よりもっと大変な時代が訪れると危惧しています。なぜなら、バブル期に青春を謳歌した50~60代は、贅沢でわがままだからです。しかも、こだわりが強く、介護においてもあれこれ注文をつける面倒な存在になりかねません。

せめて両親が同居してくれていたら、手間も多少は軽減されます。それが離婚して別々の所に住んでいると、それだけでも労力と出費が増えます。特に意外と負担となるのが、「交通費」です。遠方に住んでいると、この交通費負担は半端ではなく、介護する人にのしかかってきます。

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