BMW「7代目3シリーズ」乗ってわかった実力 過去に発売された3シリーズと何が違うのか

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これに続いて登場し、最近まで販売していたのが6代目F30だ。そのデザインが5代目より落ち着いたタッチであることを多くの人が認めるだろう。革新と継続を繰り返しながら進化していくこの手法、日本車などでも多用されていることを、クルマ好きであれば知っているかもしれない。

独特のボディサイドが印象的(筆者撮影)

となると今回の7代目G20は、順番からいけば革新の世代になるところだが、最初に書いたように第一印象はそうは思えなかった。ただよく見ると、これまでの3シーズンとは異なる部分を発見した。デザインプレゼンテーションの記事でも触れた、ボディサイドのキャラクターラインである。

新型はラインからボディサイズまで新感覚

3シリーズのキャラクターラインは、2代目以降ドアハンドルの位置で一貫していた。それが新型ではサイドウインドー近くまで上昇している。ほかにドア下部にせり上がるラインを入れているが、2本の線は従来の3シリーズほど明確ではない。むしろドア中央の控えめな盛り上がりが、リアフェンダーの張り出しに向けて盛り上がっていくという、面へのこだわりが伝わってくる。この点では新しい潮流と言えるかもしれない。

Mスポーツ仕様の前席(筆者撮影)

ボディサイズについての考え方も、これまでの3シリーズとは異なる。全長4715mm、全幅1825mm、全高1430mm(試乗した330iMスポーツ)で、長さが日本の5ナンバー枠をオーバーし、過去2世代ではドアハンドルを日本専用としてまで1800mmを守っていた幅も、それを超えた。

プレゼンテーションでは、日本はBMWの6大マーケットのひとつであり、商品戦略の初期段階から参加をしているという説明があった。ちなみに日本以外はドイツ、イギリス、イタリア、アメリカ、中国である。過去2世代の日本専用ドアハンドルはその結果の産物だが、新型はドアハンドルを変えるだけでは1800mmに収まらず、諦めたのかもしれない。

ちなみに幅の拡大について、以前の記事では人間が大きくなったという主張があったが、今回は別の理由を紹介していた。

ホイールベース延長の恩恵を感じる後席(筆者撮影)

新型3シリーズは室内空間拡大などの要件から、ホイールベースも2850mmと先代より40mm延長している。しかしそのままでは3シリーズが大事にしているハンドリングに間延び感が出てしまう。そこでクーペとカブリオレの4シリーズと同じようにトレッドを広げた。その数値はフロント43mm、リアが21mmと、ボディの拡幅分を上回っている。

確かに試乗してもっとも印象的だったのは、前輪の踏ん張り感だった。フロント部分のボディ剛性が50%アップしたことも効いていて、後輪駆動ならではのコーナーからの立ち上がりを、信頼感の中で楽しむことができた。

330iの2Lターボエンジン(筆者撮影)

エンジンと乗り心地についても触れておくと、2L直列4気筒ターボエンジンは最高出力190kW、最大トルク400Nmを発生するだけあり、力強い加速をもたらすだけでなく、4気筒とは思えない滑らかな吹け上がりと音で、さすがBMWだと感心した。一方の乗り心地はMスポーツということもあってやや硬さが気になった。この面が気になる人はほかのグレードを試したほうがいいだろう。

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