親子の絆は、親の経済力で決まるのか? 人を恨めば、自分の成長が止まり人生が悪循環

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親子の絆も親の経済力で決まるか?

私はまた、親は親らしいことをしてこそ親だと思っていますが、子供は子供らしいことをしなくとも、哀しいかな世の多くの親からみる子供は、「不肖な子ほどかわいい」という言葉もあるように、何をしても大切さに変わりなく、不憫だったり気になったりする存在です。この辺の温度差を昔の人は「順送り」という知恵ある言葉で言い表しました。

ところが私たちの仲間うちで、「順送り」では説明のつかないことがあると、ずっと話し合ってきたことがあります。どこからみても母親としての役目を果たしていない、もし私たちがそのように振る舞えば、「お母さん」とは呼んでもらえそうにない人が、その子供に慕われて子供が成人後もとても仲がいい。逆 に経済的に豊かな環境でとても学歴の高い両親の下で育った子弟でも、永遠に反抗期かと思える人が、世間にはご存じのとおりザラにいることです。

血を分けた肉親ゆえの愛憎関係は、経済的な問題だけでは割り切れない、他人には計り知れないものがあります。ひとつの原因を取り上げて、他人である私があれこれ想像する愚は避けたいと思いますが、ご両親が兄妹3人の大学の学費を準備しなかった件に限っては、美香さんに聞いてほしいことがあります。

親のスネをかじれない子供は、親を恨んで当然?

ご両親の、教育に対する意識レベルが高くなかった件に関しては、愛情とは別に考えることができませんか。親戚からの援助を止められたのも、美香さんの足を引っぱられたのではなくて、子供には知らせていない大人側の事情があったのかもしれません。

家計を支えるために大学進学をあきらめて就職した人も含めて、大学時代に親の援助がなかった人はみな、親を恨んでいるでしょうか。私はそんな彼・彼女たちが社会人になってから、少ない給料から親に仕送りしているケースも身近に知っています。親側の事情を深く理解し、スネをかじらなかったことに対してむしろ誇りを持っている、たくましい人たちです。

美香さんは親から援助は受けられませんでしたが、勉強をする邪魔をされたり、働いて家計を助けるようには言われませんでした。美香さんが優秀で自力で欧州の大学への留学を果たし、技術系の最難関資格を最短年数で取得できるほどの学力を積むことができたのも、その裏付けとなる健康に恵まれたのも、美香さんには不足かもしれませんが、私には見えざる親の存在を感じます。授業料免除や奨学金を得る資格もしかりです。世の中にはこの資格を得るにも、さまざまな理由で 困難な人が多いことをご存じですか?

親のスネをかじりながら勉強した人が学べなかったことも、美香さんは多く学んだことでしょう。盲目的に親への感謝を強要しているのではありません。あえて言葉がきついようですが、苦労が多かったせいか、美香さんは意味のないコンプレックスを、他者への恨みに転嫁している傾向があるように私には思えてなりません。

上(経済的に恵まれた人)と比較せず、美香さん自身が歩んで来られた道を、もっと肯定的に受け止めるべきだと感じました。

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