平成最後を飾る、JR「史上最強」の特急列車は? 各社を代表する電車・ディーゼルカーが続々
そこで、途中駅での停車時間を含めた運転時間を示す表定時間を基準に考えれば、現在では681系電車を使って関西圏と北陸を結ぶ“サンダーバード”が最も早い。2018年3月ダイヤ改正時点では、“サンダーバード33号”の大阪と金沢間が267.6kmを2時間31分で走り、表定時速106.3kmと、100kmをオーバーしている。2位はJR九州の“ソニック(17号など)”で表定時速98.4km、3位は福井と金沢の“ダイナスター”……と続いている。
ということで、表定速度の面でも、681系電車はJR特急のトップなのであった。
2.北の大地を疾走 JR北海道789系1000番代電車
札幌都市圏を中心として旭川や小樽、そして東室蘭の間を結ぶ函館本線と千歳線は、JR北海道で最大のドル箱路線である。しかしこの区間はまた、高速道路と競合するところでもある。
そこでJR北海道では、客席はグリーン車を含まない普通車だけと割り切り、編成も単純化した5両固定として、時速130kmで石狩平野を身軽に疾走する電車を開発した。2007年のことである。
誕生した789系1000番代電車はその期待に応え、とりわけ札幌と旭川の間136.8kmを、それまでの785系とともに1時間20分で走り抜けて多くの乗客を獲得した。
ちょっとだけ残念なのは、2013年11月に最高速度が時速120kmに制限されてスピードダウンを余儀なくされたことだ。JR北海道の特急車両で不具合が多発し続けたことに対処するものである。しかしスピードダウンしたといっても、表定速度(停車時間を含む、ある区間の平均速度)は時速10km近く低下、所要時間は5分間の増加にとどまっていて、この電車が石狩平野のエースであることに変りはない。
3.カーブに強い JR四国2700系ディーゼルカー
山あいを等高線に沿って右に左に曲がりくねり、絶え間ないアップダウンが続く線路。そんな路線で最高速度を上げようというのは、無理な相談というものである。
そこで“振子式車両”が考案された。開発は1940年代からスタートし、日本では1973年に名古屋と長野を結ぶ特急“しなの”で初めて実用化された。
振子式車両というのは、車両がカーブの外側へ振られようとする遠心力を、車体をカーブの内側へ傾けることによって打ち消して、これまでよりカーブでの通過速度を上げようというシステムである。
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