「ゴーン前会長守る」弘中惇一郎弁護士の目論見 「無罪が取れておかしくないと思っている」
――勾留が長いことへの日本の司法制度の問題点が指摘されているが
「私が弁護士になった50年くらい前は、勾留はこんなに長くなかった。起訴されれば保釈されるというのは当たり前だった。鈴木宗男さんは400数十日、村木厚子さんも100数十日だった。
やっと裁判所の反省が出てきて保釈されやすくなったが、今の司法は『人質司法』になっていて、各国から批判が多いところ。私たちも1日も早くそういう事態を訴えて、保釈を取るようにしたい。
補足すると、本来なら検察官が有罪にできるまでの証拠が集まったら起訴をする。刑訴法は保釈を権利としている。(認められないのは)きわめてアンフェアだと思う」
――ゴーン氏の健康状況は
「以前よりもどうかということはわからないが、拘置所であった限りでは、元気を維持しているという印象を受けた」
――どうしてこのタイミング(2月28日)で保釈申請したのか
「ゴーンさんは身柄拘束されてから4カ月くらい経っている。彼としては何としても早く保釈を得たいという気持ちがある。私どもとしても保釈は権利なので、早く認められるべきだと思っている」
事件における「奇妙な部分」
――今回の事件で何か怪しい、疑わしい部分があると感じているか
「(今回の起訴事実とされている内容はリーマン・ショックの頃のことなどで)10年とかそれ以上前の事柄で、当時は日産が問題視していなかったことを、日産が検察に持ち込んで事件にしたと考えている。そこで司法取引という形で、日産の幹部に害が及ばない形でやっている。これは普通の方法ではないと感じている」
――検察が決定的な証拠は最後まで出さないこともあり得るのでは
「この事件は公判前整理手続に付されている。公判前整理手続で出さなかった主張や証拠は、原則として公判には出せないということになっている。全くの隠し球が出てくる可能性はきわめて低いと思っている」
――有価証券虚偽記載を違反とするのは一般の投資家を保護する意味だが、たとえば巨額の粉飾決算をした東芝は問題視されていない。今回のゴーン氏は問題視され、バランスを欠いていないか
「おっしゃるとおり、東芝なんかと比べても非常にバランスを欠いている。事実関係はたくさんのことで争う点があると思うので、今後明らかにしていきたい。
(今回の問題は)本来、日産内部で調査して是正できる。10年も時間があったわけで奇妙だ。私は道義的なレベルでも、ゴーンさんに責められる点があるとは思っていない」
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