メルカリの現金レス「メルペイ」の甘くない船出

「チャージ不要」「後払い」武器に先行組を猛追

混沌とするスマホ決済市場を勝ち抜くのはどこか(デザイン:池田 梢、写真:Ikon-Images/アフロ)

ペイペイ、楽天ペイ、LINEペイ――。スマートフォンアプリを使った決済サービスが注目を集めている。ソフトバンクとヤフーが合弁で運営するペイペイによる第1弾「100億円あげちゃうキャンペーン」をはじめ、ネット系各社は2018年末から大胆な還元策を次々と実施。2019年に入ると、銀行や通信、流通系など、IT以外の複数業種からもプレーヤーが台頭してきた。各社はそれぞれの強みを生かしたスマホ決済サービスで勝負をかけ始めている。

3月4日発売の『週刊東洋経済』は、「狂乱キャッシュレス」を特集。まさに”狂乱状態”にあるスマホ決済市場について取り上げた。主要各社の拡大戦略を深掘りするとともに、スマホ決済の大波に戸惑う導入店側の現状にも迫っている。

現状出そろってたネット系企業が手がけるスマホ決済の注目サービスで最後発となったのが、フリーマーケットアプリ国内首位のメルカリが展開する「メルペイ」だ。2月13日からiPhone向け、28日からAndroidスマホ向けに順次提供を開始している。決済手段についてはまず三井住友カードとの事業連携を通じ、非接触型決済サービス「iD」に対応。3月中にQRコードを使った決済にも参入し、決済可能箇所は全国135万になる見通しだ。

「チャージ要らず」、メルペイならではの強み

2017年11月のメルペイ社設立から1年以上を費やしての開始となった。なぜここまで時間がかったのか。「決済は社会インフラという性質があるサービス。安心安全、セキュリティ、コンプライアンス、リスク管理など、万全の体制を固めてから臨まなければということで、このタイミングになった」。メルペイの青柳直樹代表は、2月20日のサービスお披露目会見でそう説明している。

『週刊東洋経済』3月4日発売号(3月9日号)は、「狂乱キャッシュレス」を特集。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

ライバルに後れを取ってでもメルペイが体制作りに時間をかけられたのには、同社が決済サービスを運営するうえで他社にない強みを持っているからでもある。その強みとは、フリマでモノを売って得た売上金をそのまま決済に使えることだ。

他社のスマホ決済サービスは基本、決済のために新しいアプリをダウンロードしたり、そこに紐づけたクレジットカードや銀行口座から前もって入金(チャージ)する必要があったりと、いくつかステップを踏まなければ使えない。その点、メルペイはメルカリアプリに内蔵された機能であり、なおかつメルカリ上で得た売上金の残高があるユーザーは入金作業もなくすぐに店頭決済に利用できるという特徴がある。

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