新大阪駅、再開発で狙う西の「高輪ゲートウェイ」 新幹線地下ホームや阪急乗り入れの構想も
あわせて、大阪市は、新大阪駅エリアが都市再生緊急整備地域の候補となったことを受けて、今年1月に関係者会議を開催した。新大阪駅から十三駅、淡路駅も含めた広いエリアでスケールの大きいまちづくりに取り組むという。会議には、JR西日本や阪急、大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)の役員も出席した。
新大阪駅の周辺には未利用の市有地や民有地が広がっており、その有効活用が長年の検討課題となっていた。まちづくりと鉄道事業を一体的に推進することで用地を生み出し、国に容積率を緩和してもらうことで民間投資を呼び込みことが期待されている。
近未来SFのような地下ホーム構想。夢のある話だと思うが、気になる点が2つある。
新幹線新ホームはどこに?
1つ目は、新幹線新ホームの整備される場所だ。
大阪市が1979年に作成した報告書によると、北陸新幹線は新御堂筋(国道423号)の地下に敷設し、駅ホームは南側への延長も考慮するとされていた。ただ、ルートが亀岡市経由から京田辺市経由に変更されたので、40年前のプランは参考にならない。
現在の新幹線や各線との乗換のしやすさは最低条件である。駅周辺での用地買収が困難なことを考えると、既存の鉄道空間を活用することになろう。
注目したいのが、JR西日本宮原操車場(網干総合車両所宮原支所)。新幹線と地下鉄ホームのすぐ西側にある14.6haの車両基地だ。
歴史のある設備で、今も大阪駅や新大阪駅を発着する電車の折り返し設備や留置線として使われている。ただ、近年、基地としての機能は大幅に縮小され、広大な敷地で待機している電車は数えるほどだ。
似たようなシチュエーションなのが、2020年に暫定開業するJR東日本の高輪ゲートウェイ駅だ。品川駅に隣接する車両基地が大幅に縮小され、跡地の一部9.5haで品川開発プロジェクトが進められている。
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