新大阪駅、再開発で狙う西の「高輪ゲートウェイ」 新幹線地下ホームや阪急乗り入れの構想も
宮原操車場も1990年代から再開発用地と期待されており、今年1月にも新聞報道があった。周辺で取材すると「リニアの新駅は宮原の車庫の地下にできるらしいで」と語る気の早い不動産関係者もいた。
2つ目は、リニア新幹線の新大阪駅開業が2045年、北陸新幹線が2046年……と25年以上先とされていることだ。あまりにも遠い未来であるため、リアルな話だと実感しにくい。
関西各府県や財界は、国に対して2030年代の新大阪開業を要請している。
1つの目標年次は2037年だ。JR東海は財政投融資を活用した3兆円の長期借入を行い、リニア新幹線の大阪開業を「最大8年は前倒しする」方針を示した。北陸新幹線も敦賀開業直後の2023年度に着工すれば2037年に開業できるとの観測もある。
大阪市は、新大阪エリアのまちづくりに関して、リニア・北陸新幹線の「2037年開業」を前提としたスケジュールを示した。JR西日本は中期計画で「新大阪広域ハブ拠点化」の目標時期を2030年代としている。
リニアの計画は予定通り進むか
ただ、リニア新幹線は本当に2027年に名古屋まで開業するのか。用地買収の遅延、静岡県との対立など懸念材料が多い。工費は品川―名古屋で5兆4300億円、新大阪までだと9兆円とされるが、予算オーバーすれば新大阪駅延伸の時期にも響いてくる。
北陸新幹線敦賀―新大阪間の調査は3月で完了し、月末に大まかなルートと駅が公表されるが、開業時期を早めるための財源がないのが難題だ。工事中の整備新幹線3区間の開業時期を早めるために、40年以上先の線路使用料など5400億円分の財源を前倒しで予算化したからだ。2031年までは本格着工ができない。
さらに、金沢―敦賀間の予算超過も問題になっている。当初事業費の1兆1600億円から2割増の1兆4100億円に膨らんだ。残る敦賀―大阪間の事業費は2兆1000億円と試算されたが精査は必要だろう。
与党は大阪延長のための安定財源を2019年内に見つけると説明している。財務省は、10年以上、国費から新幹線に投入する金額を年700億円台で据え置きしてきたが、本当に今の整備スキームを見直すことができるのか。今後、JR西日本が線路使用料の増額という形で費用負担に応じるかどうかも1つの焦点だろう。
新大阪駅の巨大地下ホーム構想や再開発構想は、政治的な動きと切り離して考えることはできない。今年は統一地方選や参院選、大阪府知事選・市長選があるうえに、大阪都構想の住民投票、衆院選の噂も出ている。今後、どんなアイデアが出てくるのか注目していきたい。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら