新大阪駅、再開発で狙う西の「高輪ゲートウェイ」

新幹線地下ホームや阪急乗り入れの構想も

新大阪駅の周辺が変わり始めたのは、2010年代になってからだ。

まず、JR西日本は2011年から新大阪発の九州新幹線直通「さくら」「みずほ」の運転をスタートさせ、山陽新幹線の2017年度の運輸収入は2009年度比で30%、新大阪駅の乗車人員は32%増えた。また、利用の低迷していた関空特急の乗車人員がこの10年間で倍増したことで、新大阪駅で乗り降りするインバウンド客は着実に増えてきた。

一方、JR東海は、阪急の新線用地を使って新幹線27番線ホームを増設するなどして運行本数を増やした。東海道新幹線の2017年度の輸送実績(人キロ)は2009年度比で28%増となった。

ビジネス、観光両面で活況

東海道・山陽新幹線と新大阪駅の利用者の増加、そしてビジネス、観光の好調がエリアの活況をもたらした。

未完成の阪急新大阪線用地に、JR東海が27番線ホームなどを整備。阪急は駅予定地に新大阪阪急ビルを建て、新線延伸用のスペースを駐車場にしている(筆者撮影)

阪急が2012年に竣工した新大阪阪急ビルは、地上17階建てでエリアでは10年ぶりの大型物件だった。新駅用に確保していたスペースの有効活用を目指したもので、2階は新設されたJR新大阪駅北口と直結し、1階にバスターミナルがオープンした。2017年以降、駅周辺でビジネスホテルの着工が相次いでいる。

JR東海とJR西日本、地下鉄は相次いで駅構内の大幅リニューアルに取り組み、駅ナカ店舗も充実した。

次のターニングポイントは2023年春だ。新大阪と西九条を結ぶJR東海道線支線が地下化され、大阪駅北側の大規模再開発地「うめきた」地区に北梅田駅(仮称)が完成し、関西空港や和歌山方面行きの特急が乗り入れる。おおさか東線の北梅田駅直通が報道されたこともある。

続いて、2031年春、なにわ筋線が北梅田―JR難波・南海新今宮間に開業する。関空特急がJR東海道線支線・なにわ筋線経由で新大阪駅と関空を40分台で結ぶことになる。

新大阪駅を拠点とする鉄道新線計画も注目されている。

まず、2016年8月、JR東海の柘植康英社長(当時)がリニア新幹線の大阪側終着駅の場所について「新大阪駅」と改めて明言した。

さらに、2017年3月には、与党と国交省が、北陸新幹線の京都・松井山手(駅)付近経由での新大阪駅延伸を決定する。同年4月、阪急は、北梅田―阪急十三間の鉄道新線構想を打ち出した。なにわ筋線と連絡するとともに、新大阪への延長も視野に入れている。

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