「搭乗しなかった」客を航空会社が訴えた事情

ルフトハンザドイツが客に損害賠償を請求

そもそも航空券の放棄にはどのような種類があるのだろうか。航空券の使い方としては4つに分類できそうだ。

(1)往復で乗り継ぎを伴う航空券を購入し、復路の途中で放棄する
(2)往復の航空券を購入し、復路を放棄する
(3)片道で乗り継ぎを伴う航空券を購入し、途中で放棄する
(4)購入したものの全区間を払い戻しせずに放棄する

このうち、ルフトハンザドイツ航空の「飛び降り」の事例は(1)にあたる。

(2)は復路放棄と呼ばれ、かつては日本でもよく話題になっていた。これは日本発の片道の正規運賃よりも、往復の格安航空券のほうがはるかに安いため、意図的に往復航空券を購入するというものだ。だが、昨今はLCCへの対抗上、片道の航空券も安くなってきたため、その存在理由は相対的に薄れてきている。

経由便の価格を下げ対抗する航空会社

2018年秋に筆者がスペインに本社があるオンライン旅行会社で、リマ発サンティアゴ行きの片道航空券を購入した。そして購入後にeチケットを確認すると、実際には往復の航空券となっており、勝手に復路の航空券がついていることに気がついた。利用して特に問題は生じなかったが、このように旅客自身の意志とは無関係に放棄を強いられるケースもある。

(3)はアメリカのようにハブ空港が発達しているところでよく見られる。ハブ空港は航空会社ごとに異なり、直行便を持つライバル社に対して経由便はどうしても不利になる。そのため、経由便の価格を下げて対抗するわけだが、直行便は競争力があるため、高い価格にとどめておきたい。

こうしたことから、旅行者の実際の目的地よりも、そこからさらにフライトを追加したほうが安上がりとなるケースが生じることになる。(4)については特にコメントする必要はないだろう。

次にチェックインの有無や途中もしくは復路「放棄」する場合の事前告知についても分類してみたい。

(5)チェックインを済ませていない段階で、放棄することを事前に航空会社に告げる
(6)チェックインをせず、放棄することも航空会社に伝えない
(7)チェックインを済ませた後、放棄することを事前に航空会社に告げる
(8)チェックインを済ませた後、放棄することを航空会社に伝えない

チェックインを済ませていれば、航空会社はその乗客が搭乗する可能性が高いと判断する。そのため、搭乗するつもりがないのであれば、チェックインしないほうが航空会社のダメージは少ない。

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