ハーバード生は「ダメ出し」を細分化で解決する 怒りや悲しみを起こさず問題解決する方法

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②指摘されたことを、素直に検討する

しかし、指摘は指摘に変わりありません。どんなにイライラした声で言われたとはいえ、相手は自分の信頼する優秀な仲間や上司です。ダメ出しを受けた箇所を、どう悪かったのか自分で振り返ることは必須。すぐに反抗したくなっても、一度冷静な心で受け止め、もう一度見つめなおします。

自分がやってきたことが「絶対的に100%正しい」と自信をもって言えるのか? 相手の指摘から自分の仕事に反映させられることはないか? と1つずつ分析して論理的に考えます。すると、「たしかにこの人の言うことは一理ある。改善すべき点があるな」という発見があるはずです。

例えば私のケースだと、

「みんな時間がない中でこんなに頑張っているのに」
→少し感情的発言ではありますが、時間をもっと尊重した態度や仕事の振り方ができるはず。
「良いプロダクトができてこない」
→これはメンバーの意識を上げなければいけない証拠。
「リーダーがもっと現場にいないからこんな事になるんじゃ?」
→現場に足しげく通うことでより多くの問題点がつかめるので、かなり正論。
「責任取ってどうにかしてくれない?」
→言い方にトゲがあるのは仕方ないのでここは大人になって上記の改良点を提示。

その場で論理的に解決策を示せれば、忠実さも見せることができ、リーダーとしての頼りがいが証明できます。問題点は素直に自分の中で消化し、修正できる場合には、ダメ出しされてしまったという悔しさをバネに、徹底的に猛スピードで直します。

感謝の気持ちと自信を見せて大人の対応を

③「ああ、確かに!」と余裕の笑み

3つ目のステップ、これがとても大事です。

振り返ったあと、「ああ、確かにそうですね!」と相手を認め、余裕の笑みを見せること。

相手がもしあなたに反抗したい気持ち、または嫌な思いをさせたい、と思っている場合には、特に相手がいちばん見たいのはあなたの困った顔や怒った顔。逆に、いちばん見たくないのはあなたの余裕の笑顔です。

ここは大人の余裕を見せ、「こいつは何を言っても揺るがない自信を持った手強いやつだな」と認識させましょう。

④「ためになりました、ありがとうございます」

『ハーバード・ジュリアードを 首席卒業した私の 「超・独学術」』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

大人の余裕どころか鉄人レベルの余裕を持つあなたは、ぜひこれにチャレンジしてみてください。

わざわざ時間を使ってダメ出しをしてくれた、というのはあなたのことを気にかけている証拠。ここは「助言ありがとうございます」とお礼を言って、凛(りん)とした気持ちで立ち去りましょう。

自分にも相手にも嫌な後味の残らない、究極のモチベーションキープ法です。

「現実にはこう上手くは回らない」という皆さん心の声が聞こえてきそうですが、冷静かつ論理的に対処することで事態は改善するのではないかと思います。あくまでもポジティブに、感謝の気持ちと自信を相手に見せることで、「ダメ出し」を乗り越えられればと思っています。

廣津留 すみれ バイオリニスト、Smilee Entertainment社 CEO

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ひろつる すみれ / Sumire Hirotsuru

1993年大分市生まれ。小中高まで地元の公立に通い、2012年ハーバード大学に現役合格、2016年に首席で卒業。ジュリアード音楽院の修士課程に進学。2018年に首席(William Schuman Prize)で卒業後、ニューヨークで起業。バイオリニストとして世界的チェリスト・ヨーヨー・マとの共演やゲーム「ファイナルファンタジー」シリーズのサウンドトラック録音など、ジャンルにこだわらず幅広く活躍。起業家としても2013年より毎夏大分でハーバード大学生による小中高生向け英語セミナー「Summer in JAPAN」を開催するなど、多方面に事業を展開中。ニューヨーク在住。
デビュー作に『ハーバード・ジュリアードを首席卒業した私の「超・独学術」』がある。

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