無限に働く生活をやめるための「5つの視点」 「自ら考えて動ける人」になるための方法

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視点① 無限大ではなく「無減代(むげんだい)」を考える

「無」はなくすこと。「減」は、仕事を減らすこと。「代」は、使い回したり、代用したりすること。「その仕事はなくせないのか」「なくせないのなら、減らせないか」「ほかの資料に代えられないか」などと考えて仕事をします。

この世の中のたいていのものは、有限です。「時間もスタッフも無限大であり、努力をすればするだけ、いい成果が出る」という考え方は、根拠なき精神論の典型だと思います。ですから、「無限大」という考え方を捨てて、「無減代」に改めることが大切です。「この仕事は何のためにやるのか」を突き詰めて考えたら、省略できる作業はいくらでもあるはずです。

部下に振った仕事は上司の思いつきにすぎなかった

日本生命時代の僕は、自席の卓上カレンダーに、部下に振った仕事とその期限をすべて書き込んでいました。たとえば、A君に「金曜日締切り」でBの仕事を頼んだ場合は、2日前の水曜日に「A→B」とメモしておきます。そうすると、水曜日の朝に督促できるからです。

ある日、外出から戻ると、A君が僕の書き込みを消しゴムで消していたのです。「何をしているんだ?」と怒ったら、彼はこう言い返してきました。

「あまりたくさん仕事を振られてうっとうしいので、消しているんですよ。でも、そんなに怒らないでください。僕らもアホではないので、仕事の軽重の判断くらいつきます。大事なことは、ちゃんとやっていますよ。半年前からみんなで相談してこっそり消していましたが、出口さんは気づかなかったでしょう。また実際、仕事で困ったこともなかったでしょう?」

あ然としましたが、たしかにA君の言う通りです。半年間を振り返ってみると、仕事が滞ったことは一度もありませんでした。僕はA君に「上司の指示のかなりの部分は、仕事の本筋には関係のない思いつきにすぎない」ということを教えられたのです。

視点② 「なぜ」を3回繰り返す

誰も疑わないことでも、「なぜ」「なぜ」「なぜ」と、腹落ちするまで深く考え直してみる。すると、物事を原点から捉えることができるようになるので、新しいアイデアを生み出しやすくなります。

社会常識や前例は、真理とはかぎりません。「みんながそう思っているから」という理由だけで社会常識に頼っていると、社会の中に芽吹きはじめている小さな変化を見落としてしまうこともあります。すべてを自分の頭で徹底的に疑って考え抜く習慣を持てば、物事を原点から捉えられるようになり、変化する時代にも柔軟に対応できるはずです。

僕は1972年に日本生命に入社して、京都支店の「第二奉仕係」に配属されました。そのときの上司(非常に優秀な高卒の女性で18人を束ねる班長でした)に「出口君はまったく仕事ができないね。スピードも遅い。それなのになぜ私より給与が多いの? そのことをあなたはどう思っているの?」と尋ねられたことがあります。

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