お金持ちが「お金より大切にするもの」とは何か やはりお金が貯まる人には明確な理由がある
例えば、4000万円の投資金額に3倍のレバレッジをかけることで、1億2000万円まで投資が可能になります。つまり、1億円を貯めるのを待たずに投資元本を増やすことができるのです。
分配金が4%だとするとレバレッジを3倍かけることで、元手に対して12%の分配金になります。もちろんレバレッジをかけた分の借入金利はコストになりますが、円、スイスフラン、ユーロの場合、1%ほどで借りられます。そのため、借入金利も含めたコスト2%分を引いても、期待利回りは10%ほどなので、約400万円の分配金を受けることが理論的に可能になります。
当然のことながらリスクも伴います。損が出たときは損失も大きくなりますが、中華系の人たちの中にはそうしたリスクも承知のうえで、レバレッジをかけて元金を増やしていく取引が当たり前だと思っている人も多いのです。不動産投資も手元に現金があっても、できるだけ現在の信用を活用してローンを組みたいという考え方の人もいます(詳しくは年収や資産状況によって貸付の比率も変わります)。
このように、信用は打ち出の小槌のような存在で、その人が取引できるお金の総量を増やすことが可能になるのです。
お金持ちは「持っているもの以上のお金」を活用する
共和政ローマの政治家で有名な人物、ガイウス・ユリウス・カエサルは「天文学的な借金を抱えていた」と、塩野七生さんの『ローマ人の物語』などでも書かれています。
裏を返せば「これだけ多くの借金ができる=信用が大きい」と言い換えられるわけです。信用がない人に対しては、誰もお金を貸さないからです。
契約書や着手金など、なしで取引される業界も、中華系のシンガポールでは少なくありません。これも、それまでの信用が働いていると言えるでしょう。また、ビジネスのうえでも、一般的に個人よりも法人のほうが信用度は高く、大きな取引や借り入れなどもしやすくなります。そのために、多くの富裕層がビジネスをするうえで、法人を有効活用しています。
お金は循環させて有効活用しなければ、ただの紙であって意味を持ちません。富裕層は「十分なお金を用意できる」という信用を武器に、実際には札束の塊を見せなくても、買い物、ビジネス、借り入れなどを円滑に行うことができるのです。それゆえ、富裕層は持っているもの以上のお金を活用するために、自らの信用を大切に育んでいるのだと思います。
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