2019年の日本株は再び上昇するのか?

テクニカルの専門家3人が大胆に予測

ーー2019年の相場をどう見ていますか?

吉野:2012年以降、流れが大きく変わり、40年間の円高、20年間の株安が終わり、上昇トレンドに入ったと考えていましたが、今年は慎重です。2009年以降、量的金融緩和によって景気は回復し、アメリカを中心にして株価が上がってきました。それが9年半も続いたわけです。

また昨年秋以降の下げが小さければ、まだ強気でいられましたが、NASDAQ総合指数がリーマンショックのときの下げ幅を超えてしまいました。アメリカの株式市場は、明らかにトレンドが転換したものと考えられます。日本の株価も、これまでの上げがいったん止まり、調整局面になるでしょう。「2020年以降、大きく跳ね上がるため、今年は深くしゃがみ込む年」だと考えています。

3月前半までは、売られすぎの調整局面ということでリバウンドが期待できるものの、10月から11月にかけて弱くなります。恐らくアメリカの金利も、秋口には下げに転じるでしょう。そうなればドルも安くなります。1ドル=95円も想定内です。となれば、企業業績が悪化しますから、調整幅がもう一段大きくなる恐れがあります。

アメリカの利下げ準備で株価は上昇も?

藤原:半年先の状況も見えないので、1年の見通しは立てられないのが正直なところです。3カ月くらいなら見えるので、3月末までのところで申し上げますと、ファンダメンタルズ的には米中貿易問題が懸念材料です。3月にはアメリカ政府の債務上限引き上げ期日が来るため、それまでに米国債の発行枠を増やしてもらわなければなりません。暫定合意となれば株価は上がりますが、そこが戻り天井でしょう。

左から吉野豊(SMBC日興証券株式調査部チーフテクニカルアナリスト)、藤原尚之(株式会社エフ・エリオット代表取締役)、古城鶴也(NTAA常務理事 事務局長)の3氏(筆者撮影)

もし、これが通らないと、米国債は一時的にせよデフォルト(債務不履行)に陥り、ドルは暴落します。また、ドナルド・トランプ大統領のロシアゲート問題はドル売り要因ですし、アメリカ、中国、ユーロ圏、日本というように全体的に景気は頭打ちになっている。3月まで日本株はダメでしょう。

その後、4月には、FRB(連邦準備制度理事会)が利下げの準備に入るとみています。そのシナリオをプログラミングしているCTA(商品投資顧問)の連中が動き始め、夏場にかけては上昇します。ただ、基本的に年内は、戻ったら売りの繰り返しで、要はボックス圏で推移します。

古城:日本の景気動向指数をKチャートで見ると、下げトレンドに入っています。したがって、景気は決してよくはない。日経平均で2万2500円くらいまでは戻りますが、そこからの上昇余地はそれほどないでしょう。2020年の東京オリンピックに対する期待はありますが、競技場などの箱ものへの投資は年内で終わりです。秋には消費税が引き上げられ、その前の駆け込み需要はあるものの、税率引き上げ後は消費が冷え込みます。株価は景気を先読みしますから、夏を過ぎたあたりからは下げに転じるでしょう。

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