チョコの「口溶け感」を演出する陰の名脇役企業

業務用チョコ世界3位、不二製油の世界戦略

不二製油の工場でつくられる業務用チョコレート。菓子メーカーなどに納入されている(写真:不二製油)

2月14日のバレンタインデーを前に盛り上がるチョコレート商戦。チョコと一口に言っても、「パリッ」と音がする歯ごたえのよいものから、口に入れた瞬間に溶けるものまで多種多様。商品開発の苦労は並大抵ではない。

そんな各社のチョコレートづくりを影で支えている名脇役の会社がある。チョコレート用油脂で最大手の不二製油だ。脇役ゆえに取引先の社名については口をつぐむが、不二製油グループ本社の有価証券報告書では、江崎グリコや明治ホールディングス、森永製菓といったチョコレートメーカーの株式を「取引関係をより緊密にするため」保有と開示している。

チョコの3大要素「香り、甘み、口溶け」

チョコレートはカカオや砂糖、油脂を混ぜてつくられる。「カカオの香り、砂糖の甘み、油の口溶け。これらが融合した完成形」(不二製油の小田剛己チョコレート開発室長)がチョコレートなのだ。

中でも油脂はチョコレートの口溶け感を左右する。最近のチョコレートは、少し暖かいところに置いていても溶けない。それは油脂の技術改良が進んだためだ。

一方、アイスクリームのコーティング用チョコレートは溶ける温度を低くしている。通常、チョコレートが溶ける温度は人の体温に近い30℃程度。マイナス20℃前後に冷凍されたアイスを口にすると口内が冷え、なかなか溶けない。そこでアイス用のチョコレートは溶ける温度を低く設定し、冷えた口の中でもチョコレートが溶けるようにしているのだ。

このように製品の特長にあわせてチョコレートの溶ける温度を調整しているのが油脂。その最大手である不二製油が、世のチョコレートの口溶け具合を左右していると言っても過言ではないだろう。

次ページアメリカの業務用チョコ大手を買収
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • コロナショックの大波紋
  • 井手隊長のラーメン見聞録
  • 仲人はミタ-婚活現場からのリアルボイス-
  • コロナショック、企業の針路
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
広告大乱戦<br>デジタル化で進む“下克上”

「ついに」か「ようやく」か。ネット広告費が初めてテレビ広告費を超えました。デジタル化の大波の中で、広告業界は“異種格闘技戦”の時代に。グーグルと組んで購買につながる広告商品を生み出したマツモトキヨシなど、激変期の最先端事例を紹介します。