嵐「活動休止」にテレビが抱える大いなる不安 SMAPもいない今、誰が代わりを務められるか

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一方で、2020年末には、現在放送している嵐の番組である「嵐にしやがれ」(日本テレビ)や「vs嵐」(フジテレビ)は終了することになるだろう。

その後をどうするのか。

年代を問わず安心感を与えるグループが見当たらない

嵐以外に、視聴者に年代を問わず安心感を与えるグループは現在のジャニーズ事務所には今のところ見当たらない。先輩にあたるV6やKinkiKids、TOKIOよりも若い世代が求められるだろう。TOKIOは今やアイドルというよりは「DASH職人」であり、山口元メンバーの1件もあった。

翻って同世代、後輩グループはというと、KAT-TUNは休止状態、NEWSはメンバー減によってパワーが低下している。Kis-My-Ft2はSMAPと〝同じ班〟だったことでSMAP解散の割を食った。関ジャニ∞は非常に面白いがややバラエティ色が強過ぎる。

「カッコよく歌えて、面白くて演技もできる」のがSMAPや嵐のポジションに求められるのだ。

Hey!Say!JUMP あたりが本来その座を期待されていたと思うのだが、なかなか浸透しきれない。SexyZone、King &Princeも然り。どのグループにも魅力と個性はあるが、SMAPや嵐を継ぐには総合力で及ばない。年代を問わず、というのが肝要である。

10代20代の女性に人気なだけでは国民的アイドルポジションには届かないのだ。

ゴールデンタイムに冠番組を持ち、音楽特番でクライマックスに登場し、紅白でもトリを務めて違和感がないグループ。そのようなグループをテレビ各局は今ある中から見出して成長させることができるだろうか。あるいはまったく新しいスターの出現を待つのか。

もちろんそれがジャニーズのアイドルである必要もないだろう。

そしてもうひとつ、テレビにおける「アイドルグループ」について根本的に考え直す良い機会かもしれない。スポーツ番組、情報・報道番組へのアイドルの起用などメリット・デメリットを洗い直すこともあって良いはずだ。

嵐が与えてくれた「2年間」は、多くのことを考えるための2年間になるのだろう。

村上 和彦 TVプロデューサー、京都芸術大学客員教授

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むらかみ かずひこ / Kazuhiko Murakami

1965年生まれ、神奈川県出身。日本テレビ放送網に入社し、スポーツ局に所属。ジャイアンツ担当、野球中継、箱根駅伝などを担当する。その後制作局に移り、「スッキリ」「ヒルナンデス」「ブラックバラエティ」「24時間テレビ」など幅広いジャンルで実績を上げる。2014年、日本テレビを退社し、TVプロデュースの他、執筆、講演会など活動の場を広げている。現担当 : BSフジ「プライムオンラインTODAY」監修演出など。

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