インフルエンザを英語で語るときの注意点 流行っている=popularとは限らない

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また、インフルエンザは英語でもinfluenzaと言いますが、ふだんはみんなthe flu (インフル)と略して使うことが多いので覚えておきましょう。話し言葉ではなく、やや硬い表現ではgoing aroundの代わりにprevalent(流行っている)という単語を使うこともできます。新聞の記事などでしたら

Influenza is now prevalent in New York State. (現在ニューヨーク州ではインフルエンザが流行している)

のような文を見ることもあると思います。もし、「職場や学校で」インフルが流行っていると言いたいときには

The flu is going around my office. (会社でインフルが流行っている
The flu is going around my school. (学校でインフルが流行っている)

と言うといいでしょう。

ハナコさんに説明すると、Oh no!  We don’t like influenza! (やだ! 私たちインフルエンザなんて好きじゃないです!)と言って、正しくThe flu is going around my office.と言い直してくれました。

インフルにかかりったかも、を英語にすると?

出席していた4人にYou have to be careful you don’t catch the flu. (みんなもインフルエンザにならないように気をつけないとね)と言うと、筆者と同年代くらいのタロウさんが

Maybe I caught the flu. (インフルエンザにかかったかもしれません)

と言って額に手を当てるので、Do you have a fever? (熱があるの?)と聞くと、A little. (少し)とのこと。You should go see a doctor. (医者に行ったほうがいいよ)と勧めると、他の3人はうつされるのを恐れたのか口々にGo home now! (もう帰って!)と言って、顔をしかめていました。

Poor, Taro. (タロウさん、かわいそう)。すると、タロウさんはI’ll skip the lesson and see a doctor. (今日は授業を休んで、医者に行きます)と言って帰りました。Take care, Taro...(タロウさん、お大事に……)。タロウさんの言い方の他にも、

I might have gotten the flu.
I might have come down with the flu.

(インフルエンザにかかったかもしれません)

get the flucome down with the fluもよく使われますので覚えておきましょう。come down withは会話ではよく使われる言い方で、風邪のときにも使えますので、

I’m coming down with a cold. (私は風邪をひき始めています)

のような使い方も覚えておくといいでしょう。

ちなみに、この場合風邪はthe coldではなく、a coldとします。逆にインフルはthe fluのようにいつもtheが付くというのを忘れないようにしましょう。これが不思議なのですが、略さずにinfluenzaと言うときには、theをつけずに使います。

a cold (風邪)
the flu (インフル)
influenza (インフルエンザ)

インフルエンザの流行レベル

日本では、インフルエンザの流行レベルは「注意報レベル」と「警報レベル」に分かれているようですね。患者数が一定の基準値を超えると、それぞれ「注意報レベル」や「警報レベル」を超えたことをお知らせする仕組みになっているみたいです。

英語で「注意報レベル」や「警報レベル」をどのように訳しているのか、厚生労働省や国立感染症研究所のサイトを見てみたのですが、それらしきものを見つけることができませんでした。気象庁では注意報をadvisory、警報をwarningと訳しているようなので、これらの表現をインフルエンザにも使うことはできるかもしれませんね。

The average number of influenza patients in Tokyo exceeded the warning level of 30 last week.(先週、東京ではインフルエンザ患者数が警報レベルの30を超えました)

In many regions throughout Japan, the spread of influenza has reached the advisory level. (日本国内の多くの地域で、インフルエンザの流行レベルは、注意報レベルに達しました)

アメリカでは日本とは異なり、インフルエンザの流行レベルを5段階で表します。CDC(Centers for Disease Control and Prevention:アメリカ疾病管理予防センター)のサイトでGeographic Spread of Influenza (インフルエンザの地理的分布)を調べると出てきます。

レベル1 No Activity(活動性なし) インフルエンザ様疾患発生報告なし
レベル2 Sporadic(散在レベル) インフルエンザ様疾患発生報告が1件ないし少数
レベル3 Local (局地レベル) インフルエンザ様疾患発生報告が州内の単独エリアであり
レベル4 Regional(地域レベル) インフルエンザ様疾患発生報告が州内の2つから過半数未満のエリアであり
レベル5 Widespread(拡散レベル) インフルエンザ様疾患発生報告が州内の過半数以上のエリアであり

州ごとにこれらのレベルで、influenza activity (インフルエンザの活動性)を示すのです。

例えば……

Widespread influenza activity was reported by 14 states. (14の州でインフルエンザ拡散レベルの活動が報告されました)

The geographic spread of influenza was reported as regional in Arizona. (アリゾナ州でのインフルエンザの地理的分布は地域レベルであると報告されました)

のように使われます。気になる方はネットでinfluenza activityと検索してみてください。記事やCDCのサイトなどで例文を見つけることができるはずです。

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