王者・花王が挑む衣料洗剤「頂上決戦」の行方

「史上最高の洗浄力」をうたう新製品を投入

今まで衣料用洗剤では油になじむ性質と水に溶ける性質の両立は困難とされていたが、アタックゼロはバイオIOSを使用することでその困難を克服し、汚れを落としやすくしている。汚れが落ちる分、生乾き臭も減るため、抗菌剤を使わなくても臭いがしないのも特徴だ。さらに、ドラム式洗濯機対応の専用製品では節水ポリマーをふんだんに用いることで、繊維についた汚れの再付着も防ぐ。 

「(事前の消費モニターテストでは)『1回目よりも2回目、2回目よりも3回目のほうがきれいになっている』という声があった。今までの製品では出てこなかったコメントだ」と、花王の研究機関であるハウスホールド研究所の岡野哲也所長は語る。

ライバル勢も独自色を打ち出す

競合のライオンも虎視眈々と首位を狙う。ライオンが打ち出すのはスマートデバイスとの融合だ。ライオンは昨年8月に超コンパクト衣料用洗剤の「トップ ハレタ」を発売。今年1月には、ハレタを用いたスマートデバイス「スマートハレタ」を開発した。

ライオンが開発したスマートハレタ(写真:ライオン)

ボトルをスマートハレタに装着すると、自宅のWi-Fiを通して天気予報と連動し、外干しや部屋干しなどオススメの乾し方が表示される。また、ボトルの残量が自動軽量され、一定の残量を切ると専用アプリに通知が来る。

ライオンが目指すのはスマートデバイス対応機器の開発にとどまらない。現在、洗濯物の重さを自動軽量し、それに合わせて衣料用洗剤の適量を計って入れてくれる自動投入機能搭載の全自動洗濯機が登場している。

ライオンの掬川正純社長は「自動投入機能搭載の全自動洗濯機がさらに普及したとき、洗剤や柔軟剤はどのような機能や形状が最もふさわしいのか。そういったことを見据えて、新しい衣料用洗剤を投入してきたい」と口にする。

他方、P&Gは2017年に発売した新型形状「ジェルボール 3D」の売り上げを順調に伸ばす。花王やライオンの動きを受けて、P&Gも衣料用洗剤の新製品投入を模索している。各社はそれぞれの切り口で、衣料用洗剤「頂上決戦」の勝者を狙う。戦いの火ぶたは切られた。

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