国民民主党・自由党「合流」に未来はあるか 通常国会を前に野党合流の動きが加速中
国民民主党と自由党は合流するのか――。国民民主党の玉木雄一郎代表と自由党の小沢一郎共同代表が1月22日夕方に都内で会合したとの情報は、28日開会の通常国会を控えた永田町に大きな衝撃を与えた。
翌23日の新聞各紙には「合流」の文字が躍った。もし実現すれば、民主党の野田佳彦政権時の2012年7月に小沢氏らが社会保障と税の一体改革関連法に反対し、民主党から除名されて以来の結集になる。「幹事長は小沢氏」との情報も飛んだ。
侮れない小沢氏の存在感
自由党は現在、衆院2人と参院4人が在籍している。小沢氏はかつて、自民党の辣腕幹事長として300億円もの選挙資金をかき集めたことがある。また竹下派の会長代行として、総裁選に出馬意欲を持っていた竹下登・元首相、安倍晋太郎・元外相、宮澤喜一・元首相を派閥事務所に呼びつけて面談したことでも有名だ。当選回数は現職国会議員の中で最多の17回で、まだまだその存在は侮れない。
かつての小沢氏の剛腕を知る者は、今回の「小沢復権」の一報におののいた。実際に官邸から野党担当記者に情勢を探る電話がかかったという。というのも、国民民主党には民主党時代から貯め込んだ莫大な政治資金が残っているからだ。1月12日の党大会で公表された2019年度予算(骨格)によれば、前年度からの繰越額は108億8000万円。これに2019年度の政党交付金の52億7000万円などを加えれば、収入は166億8700万円に上る。
この資金をうまく活用できるなら、今夏の参議院選は自民党にとって脅威になるだろう。実際に小沢氏が民主党代表として陣頭指揮した2007年の統一地方選では、道府県・政令指定都市議選で230議席から375議席に大躍進。同年7月の参議院選でも、民主党は60議席を獲得して109議席となり、83議席の自民党を大きく上回った。
そうした勢いをつくり、2009年の政権交代を実現させたのも小沢氏だ。いわば小沢氏なくしては民主党政権がありえなかったともいえる。そうした悪夢の再来を、官邸は予感したに違いない。
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