今の「円の価値」は割安なのか、割高なのか? 為替相場の妥当性をしっかり検証してみよう
結果はチャートのとおりだ。Bloomberg Economicsの推計によると、円はいわゆるサブプライム危機から2008年のリーマンショックに至るまでの時期は適正と思われる価値よりも割安な状態が続き、逆にリーマンショック以降は割高状態が続いたことが見てとれる。
その後は2012年12月以降、いわゆるアベノミクスを経て、若干割安な時期が多かったが、2018年現在はほぼ適正と思われる価値に近い価格で取引されている、とこのモデルは示している。
それでは、ある通貨の適正な価値をうまく推計することができると、為替取引において利益を出すことを狙えるのだろうか。答えは、「狙えるときと狙えないときがある」だ。
まず「狙えないとき」とはいつか。それはある通貨の価格が適正価値付近にある場合だ。
通貨の適正価値の推計は、実は「錬金術」にもなる?
企業の業績が変わることによって株式の適正な価値も上がったり下がったりするように、通貨の適正価値もその通貨が発行されている国の経済状況が変わることによって変動する。
国の経済状況を予測することは簡単ではないので、この場合は通貨の適正価値をうまく推計することによって利益を出すことを狙うことは難しいと考えられる。
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