私は無実、「日産愛」アピールし、全面対決へ 疲弊し、やせ細った姿で逮捕後、ゴーン初登場

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やつれた体で出廷して変わらぬ「日産愛」を訴えたのは、国内外含めて世論の支持を得て裁判所に無形の圧力をかけようとしたようにも見える。

これまで公式な取材に応じていなかったゴーン氏の弁護団も8日午後、日本外国特派員協会で初めて記者会見した。数百人の記者を前に、元東京地検特捜部長で弁護団を率いる大鶴基成弁護士は「一般的に言うと初公判までは保釈が認められないことが多い。ゴーンさんにもその可能性を話しているが、非常に懸念している」と話した。

日本外国特派員協会では、ゴーン氏の弁護団を率いる大鶴基成弁護士が会見した(編集部撮影)

長期勾留の常態化など「人質司法」と揶揄されるように日本の司法制度に対する批判は根強い。今回のゴーン事件をきっかけに海外メディアからも非難の声が高まっている。

昨年12月20日にゴーン氏の勾留延長請求を東京地裁が却下したのは、そうした海外からの批判を意識したことが背景にあるとも指摘されている。弁護側は外圧を含めた世論喚起を狙った可能性がある。

ゴーン早期保釈は日産の脅威に

早期にゴーン氏が保釈されることは、日産の経営陣にとって脅威だ。ゴーン氏は昨年11月22日、日産の会長職を解任、代表権も剥奪されているが、現在も取締役としては残っている。日産は逮捕ではなく独自の調査結果に基づいてゴーン氏を解任したとしており、捜査や裁判の行方にかかわらず会長復帰はあり得ないという立場だ。

すでに保釈されている前代表取締役のグレッグ・ケリー氏と同様に、ゴーン氏が保釈されても日産関係者との接触を禁止する保釈条件が付く可能性が高く、日産取締役会への出席は困難だとの見方が強い。しかし、ゴーン氏の会長解任を現時点で見送っているフランスのルノーが、どう動くかはまだ読めない。ゴーン氏には海外渡航禁止の保釈条件が付くとみられるが、テレビ会議などでルノー取締役会に参加できる。

この日は弱々しかったゴーン氏だが、ルノー会長の地位を生かして日産への反撃ののろしを上げるのかもしれない。

岸本 桂司 東洋経済 記者

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きしもと けいじ / Keiji Kishimoto

全国紙勤務を経て、2018年1月に東洋経済新報社入社。自動車や百貨店、アパレルなどの業界担当記者を経て、2023年4月から編集局証券部で「会社四季報 業界地図」などの編集担当。趣味はサッカー観戦、フットサル、読書、映画鑑賞。

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