私は無実、「日産愛」アピールし、全面対決へ 疲弊し、やせ細った姿で逮捕後、ゴーン初登場
体の前で手錠をかけられ、刑務官に挟まれて歩きながら、傍聴席にいたフランスとレバノンの駐日大使に気付いて目で合図をしていた。
ゴーン氏の顔はやせ細って髪の毛には白髪も目立ち、声にも張りはない。以前のようなカリスマ経営者のオーラは感じられない。51日間の拘置所生活で心身ともに疲弊している様子がうかがえた。
「最初に話しておきたい。日産に対して心からの親愛と感謝の気持ちを持っている」。
裁判官が勾留理由を説明した後、証言台の前に座って意見陳述の時間を与えられたゴーン氏の口から最初に出たのは、日産への愛情の言葉だった。
「日産愛」と日産への貢献を強調
倒産寸前だった日産に、資本提携したルノーからゴーン氏が送り込まれたのは1999年。その後、驚異的なV字回復を実現したことは、逮捕容疑の妥当性を問わず、紛れもない事実だ。
ゴーン氏は法廷で、有価証券報告書虚偽記載容疑と特別背任容疑を否認する理由を一つずつ説明していったが、陳述の最後も「日産での成果は従業員とのチームで得られたものであり、私にとって家族の次に最も大きな人生の喜びです」と日産への貢献を強調した。
ゴーン氏が裁判官に無罪を直接訴える手続きを請求したのは、自身の保釈に向けた環境作りという面が大きい。今月11日には特別背任容疑での勾留期限を迎え、起訴の可否だけでなく、その後の保釈の有無が焦点になっているからだ。
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