NYダウ265ドル上昇、年間下落率は08年以来 19年は企業業績、米中交渉、FRBの言動に注目

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 12月31日、米国株式市場は閑散商いの中、上昇して取引を終了した。もっとも年間の下落率は2008年以来の大きさとなった。写真は27日撮影(2018年 ロイター/Eduardo Munoz)

[ニューヨーク 31日 ロイター] - 米国株式市場は閑散商いの中、上昇して取引を終了した。もっとも年間の下落率は2008年以来の大きさとなった。

2018年の米国株は1月下旬に調整局面入り。年を通じては米中貿易摩擦や米利上げ、企業業績への懸念などが重しとなった。

グローバルト・インベストメンツ(アトランタ)のシニアポートフォリオマネジャー、トーマス・マーティン氏は「投資家は悦に入っていた」と指摘。通商懸念や利上げによって低ボラティリティー環境が変化したとき、「投資家がポジションを変更し、急落が始まった」との見方を示した。

米国株は12月の下げが顕著だった。S&P総合500種<.SPX>は世界恐慌以降で最悪の12月となり、ナスダックは<.IXIC>は高値から20%下落し弱気相場入り。主要3株価指数はいずれも月初から約9%下落した。

マーティン氏は2019年が始まるにつれ、「投資家は企業業績や貿易交渉の行方、米連邦準備理事会(FRB)の言動などに注目するだろう」とみる。

31日は米中貿易摩擦の解消に向けた新たな手掛かりが投資家の楽観姿勢につながった。

トランプ米大統領は29日、中国の習近平国家主席と電話で協議したことを明らかにし、貿易問題を巡る米中の取引が順調に進みつつあるとの見方を示した。

一方、祝日を控え商いは閑散だった。

セクターではヘルスケア株<.SPXHC>や情報技術株<.SPLRCT>株の上昇が目立った。

この日はS&P500の11業種全てがプラス圏で引けたが、年間ではヘルスケア株と公益株<.SPLRCU>のみが上昇した。

エネルギー株<.SPNY>や素材株<.SPLRCM>、通信サービス株<.SPLRCL>、工業株<.SPLRCI>、金融株<.SPSY>は年初からの下落率が14.7─20.5%となった。

年間で20.5%安となったエネルギー株は10月上旬から38%下落した原油価格<LCOc1>が重しとなった。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.42対1の比率で上回った。ナスダックでも1.81対1で値上がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は約74億6000万株。直近20営業日の平均は92億2000万株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 23327.46 +265.06 +1.15 23153.94 23333.18 23118.30 <.DJI>

前営業日終値23062.40

ナスダック総合6635.28 +50.76 +0.77 6649.52 6659.96 6570.06 <.IXIC>

前営業日終値 6584.52

S&P総合500種 2506.85 +21.11 +0.85 2498.94 2509.24 2482.82 <.SPX>

前営業日終値 2485.74

ダウ輸送株20種 9170.40 +61.27 +0.67 <.DJT>

ダウ公共株15種712.93 +0.99 +0.14 <.DJU>

フィラデルフィア半導体 1155.17 +7.80 +0.68 <.SOX>

VIX指数 25.42 -2.92 -10.30 <.VIX>

NYSE出来高10.37億株 <.AD.N>

シカゴ日経先物3月限ドル建て 19860 + 20 大阪比 <0#NK:>

シカゴ日経先物3月限 円建て 19815 - 25 大阪比 <0#NIY:>

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