渋澤 日本は1945年の終戦以来、非常に長い間、平和を謳歌してきましたから、不幸にして有事が起きた時、弱いでしょうね。
藤野 そこは私も心配。
中野 2018年の秋冬相場を見ると、非常にボラティリティが大きくなりました。いわゆる恐怖指数と言われているVIX指数も20を頻繁に超えるようになっています。中間選挙は何とか乗り越えましたが、マーケットはなかなか落ち着きません。
まだ厳しい下げの局面が来る
藤野 トランプ大統領が誕生した時、株価は暴落した後、暴騰して、多くのトレーダーが翻弄されました。その経験から、何かイベントがある時にはいったん、ポジションを外す動きが常態化しています。
それがあったから、中間選挙前にアメリカの株価が大きく下落し、中間選挙後に一瞬、戻す場面がありました。この戻しは、明確な買い材料に支えられたものではなく、単なるアヤ戻しに過ぎません。だから、その後も株価は上昇、下落を繰り返しています。当然のことですが、株式市場はこれから、世界景気は上向きなのか、それとも下向きなのかという、ファンダメンタルズをしっかり見て動くことになるでしょう。少なくとも現状においては、なかなか強気にはなれません。
渋澤 個別で見ると、たとえ増収増益だとしても、想定以上に良い数字が出ない限り、株価は下げる傾向を強めていますね。それだけ市場参加者が神経質になっているのかも知れません。
藤野 そうですね。グローバル・テーパリング(緩和縮小)によってキャッシュが減っていますから、リスク資産に流れていたお金が減り、株価の上値を抑えているのだと思います。
中野 2019年は、ほぼ確実といっても良いと思うのですが、アメリカ企業の業績は落ちますよ。それをマーケットがまだ完全に織り込んだとも思えませんから、まだ厳しい下げの局面が来るでしょう。アメリカ株が大きく調整すれば、当然のことですが、日本株だって無傷では済みません。
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