田中圭の「ダメ男」が圧倒的に支持される理由 男女から愛される「今年最大のブレイク俳優」

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通常、ブレイク俳優に求められるのは「かっこよさ」や「男の色気」である。ところが、田中圭の場合は異なる。どうにもこうにも困りはてる田中圭を見たい。困惑というニーズがブームの根本にあるような気がする。

「ちょっぴりクズ」が求められる時代

ここ数年の田中圭の仕事っぷりを振り返ってみよう。「煮え切らない元カレ」「罪悪感なき不倫男」「無邪気なハンサムバカ」など、いずれも「ちょっぴりクズ」感が漂う役が多いと気づく。

「十月十日の進化論」(2015年・WOWOW)では酔った勢いでヒロインと関係をもち、妊娠させてしまう後輩役を、「東京タラレバ娘」(2017年・日テレ系)では妻が妊娠中に不倫する男の役、「感情8号線」(2017年・フジテレビ系)では妻の女心と同僚女性の恋心に無頓着な男の役、「伊藤くんA to E」(2017年・TBS系)では脚本家のヒロインを都合よく使うプロデューサー役であり、劇中で架空の痛いクズ男の役も担当。

今夏放送した「ダブル・ファンタジー」(WOWOW)では、主人公との不倫性愛にどっぷりハマり、幼稚化して崩壊する妻子持ちの男の役だった。

そして10月期に放送した「獣になれない私たち」(日テレ系)では引きこもりの元カノを家から追い出せず、積極的な肉食女性からの誘惑にもまんまと負けてしまう、NOと言えない典型的な優男の役だ。そのくせ、根本的に古い固定観念で女性を枠に当てはめる厄介な男である。

こうして文字にしてみると、いずれもなかなかのクズだ。ただし、暴力や借金、犯罪に手を染めるような正真正銘のクズ、ではない。女性への配慮が浅い、または脇が甘い。そんな、男として少々ゆるい「ちょっぴりクズ」を田中圭は数多く体現してきた。

時折、血迷ってエリートイケメンやヒロインが憧れる男性役を演じることもあったが、シュッとしていてもパッとしなかった。「5→9~私に恋したお坊さん~」(2015年・フジ系)、「恋がヘタでも生きてます」(2017年・日テレ系)がいい例だ。

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