北朝鮮ナンバー2の失脚は自然な流れ? 「不正腐敗の撲滅」と「世代交代」に抗せなかった

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張成沢は過去2度の失脚から復活した人物でもある。最初は、北朝鮮の最高学府である金日成総合大学の学生時代、現在の妻である金慶喜と恋愛中に、それをよしとしなかった故・金日成主席によって地方の大学に強制的に転校させられた。次は2003年頃に「分派活動を行った」として失脚したとされている。この時期、彼に関する消息が途絶えたが、2006年に朝鮮中央通信の報道で復権したことが判明している。

そのため、「本当に失脚したのかどうかは、もう少し時間をおく必要がある」(日本政府関係者)。彼の経歴と最高指導者の関係からすれば、しばらくしたら復活する可能性があるというわけだ。

過去2度の失脚、今回も復活の可能性あり

金第1書記の最側近とされた彼が失脚したら、今後の北朝鮮に大きな変化が起こりうるという観測も出ている。また、彼は政権内でも「穏健派」として知られ、そのため軍と指導部の対立が起き政権内に混乱が生じるという見方も出てきた。だがそのような混乱は、二つの点で起こりえないと考えられる。それは、「不正腐敗の撲滅」と「世代交代」が実施されているためだ。

金第1書記が指導者として本格的に登場して以来、北朝鮮経済に関する話題が増えている。最近では北朝鮮全国に14カ所の経済開発区を設け、外資誘致に取り組むことも表明、これに関する法律まで制定。対外関係を徐々に改善すると同時に、経済状態をも改善していこうとしているのが現在の北朝鮮だ。

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