清水建設社長、「建設需要はまだまだある」 宮本洋一社長に聞く「ゼネコン活況」のその先

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人手不足は業界全体の課題

――ただ、労務費の高騰は心配です。

1%、2%の上昇ならば我慢できるかもしれないが、1割、2割上がったものについては工事単価として認めていただきたい。建設する者がいないと困るという認識を、デベロッパーなども持ち始めたのではないか。それなら一緒になってやっていこうと。われわれだって好き好んで単価を上げているわけではない。身銭を切ってとか、血を流してということは、もう避けたい。これははっきりしている。

人手不足は業界全体の課題。業界では、現場の作業員に女性を増やしていきたいと考えている。これまでどうして女性が増えなかったのか、その理由をきっちり議論していく。

みやもと・よういち●東京大学卒業後、清水建設入社。専務九州支店長、営業担当などを経て2007年から現職

――地方の状況についてはどう見ていますか。

地方に行くと、「五輪だ、リニアだといって、3大都市圏ばかりに投資が集中して、それ以外のところは投資が回ってこないんじゃないか」と、皆さんが懸念を持っている。しかし、実は地方にも本当に必要とされているものはある。

水害が起きると、「大変だ」と皆の目がそこに行く。一方、同じように雨が降っていても、山の反対側は洪水が起きていないこともある。ダムがあって水の制御ができているためなのだが、それについて皆の関心は向いていない。

マスコミは「ここは水害にならなかった」という事実も報道してほしい。われわれ建設業界も、そういうところはしっかりアピールしないといけない。

――事業環境が上向いてきた中で、育成を強化したい事業もあるのでは?

今、力を入れているのは、グローバル事業、ストックマネジメント事業、それからサステナビリティ事業。特にサステナビリティ事業は、他社と差別化できるところではないかと思う。バイオマス発電、洋上風力発電、メタンハイドレートなど、エネルギー関連施設の建設については先進的に取り組んでいる。こうした分野が近い将来、本格的な事業になってくると期待している。

堀川 美行 東洋経済 記者

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ほりかわ よしゆき / Yoshiyuki Horikawa

『週刊東洋経済』副編集長

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