小4男子の直訴が映した「学童保育」の大問題

なぜ「保育の質」のばらつきを防げないのか?

「友だちともめたり、ぶつかることは相手の思いに気づく機会です。子どもたちは人との関わりのなかで成長していきます。しかし、指導員が時間にも心にも余裕がないと、大人の都合で『ごめんね』『いいよ』を言わせて、解決したことにしてしまうのかもしれません。

また、企業が運営に参入するようになって、安全第一を理由に、『やってはいけないこと』ばかりになってしまうところもあります。極端な例で言えば、見つけられなかったら困るという理由で、かくれんぼを禁止にするとか。管理する大人の側の論理でしかありません」

学童に通う子どもは年々増え続け、待機児童も問題化してきた。子どもは増えるが、見守る指導員は増えない。待遇が低いため、なり手も少ない。学童保育業界も、慢性的な人手不足な状態にある。

日替わりのアルバイトでシフトを組むため、継続的に子どもを見守る体制がなく、子どもがケガをしたかどうかの引き継ぎさえままならない学童もある。人員が足りないまま保育を行えば、子ども一人ひとりと向き合う時間も、心の余裕もない。場当たり的な対応しかできなくなる。

十分な保育を行うためには適正定員があり、厚労省も基準の中に明記している。しかし、待機児童問題を表面的にクリアするために、適正定員を超えた子どもを預かってしまう学童もある。詰め込まれた子どもたちは荒れ、対応に疲れた指導員の言葉は威圧的になっていく……。

まだまだ問題抱える「学童保育」業界

よりよい保育をしようと取り組む指導員がいる一方で、NGな指導員の話は、あちこちから聞こえてくる。

夏の公園で日傘をさしたままの、まさに子どもを見ているだけの人。同僚とのおしゃべりに夢中の井戸端会議グループや、好きな子どもを孫感覚でかわいがるおばあちゃんタイプ。頭ごなしに叱ることをしつけだと勘違いしている人もいれば、持論を展開し保護者を説教する姑系、年下の正規指導員から注意されて逆ギレする老人も。はては、体罰をしても悪いことをしたという意識がない人や、上級生のいじめを子どもが伝えても見て見ぬふりを決め込む人……。

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