小田急の新ダイヤ、「複々線効果」は道半ば

便利になったはずが、通勤定期は目標の半分

小田急電鉄のダイヤ改正から8カ月。複々線化によるメリットで利用者を増やすことはできたのか(写真:HAYABUSA/PIXTA)

小田急電鉄の悲願だった複々線化が完了し、今年3月17日にダイヤ改正が実施された。線路容量が2倍になったことでラッシュピーク時の輸送力を4割増強し、混雑率を192%から150%程度へ軽減、都心方面への所要時間が短縮する――。小田急は複々線化のメリットを盛んにアピールした。

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「競合路線からの利用者シフトなどにより、鉄道収入が3年後に50億円プラスアルファ増える」と、小田急は業績押し上げ効果も想定。初年度に目標の6割を達成し、2年目に9割、3年目に100%達成する計画だ。

ダイヤ改正から8カ月。小田急のもくろみどおり、利用者は増えているのだろうか。同社が10月31日の2018年度第2四半期決算発表に合わせて公表したデータから、意外な状況がわかってきた。

複々線化でも利用者の飛躍的な増加はならず

小田急全体の今年4~9月の通勤定期利用者は前年同期比1.6%増、定期外が0.8%増という結果だった。2017年度1年間の輸送人員の伸び率はそれぞれ1.4%増、0.6%増だったので、複々線化によって利用者が飛躍的に増えたという状況とはいえない。

ただ、定期外に関しては今夏の猛暑や台風の影響を受けている。首都圏大手私鉄9社における、2017年度における輸送人員の伸び率は、小田急は9社中、定期、定期外ともに8位。一方で今年4~9月は定期が7位、定期外が4位と順位が上昇した。猛暑や台風の影響で各社が軒並み伸び率を下げたため、小田急の順位が相対的に上がった。小田急によれば、定期外に関しても計画どおりの利用者を確保できているという。

しかし、「通勤定期については計画を下回っている」と小田急の担当者は話す。当初は通勤定期で3.7%増を見込んでいたが、実際にはその半分にも満たない結果となった。

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