シャープの今期は在庫処分ロス膨らみ、営業減益幅は会社計画以上に拡大必至

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シャープの今期は在庫処分ロス膨らみ、営業減益幅は会社計画以上に拡大必至

シャープの今2009年3月期は、減益幅が大幅に拡大する見通しだ。液晶テレビやテレビ用パネルの在庫を減らすため、秋以降は採算度外視での販売を余儀なくされているからだ。会社側は10月、今期営業利益見通しを1300億円(前期比29.2%減)に減額したが、「東洋経済オンライン」は700億円(前期比62%減)にまで独自に引き下げる。また、大量保有するパイオニア<6773>株の評価損等を特別損失として織り込み、最終利益も会社計画の600億円から90億円に減額する。

08年4~9月期決算は、前年同期比3割以上の営業減益だった。上期の大幅減益の直接の引き金は、携帯電話端末と関連部品の不振だった。しかし、シャープの経営における現在の最大の問題は、屋台骨を支える液晶関連事業の収益悪化である。世界的な景気悪化で液晶テレビやテレビ用パネルの需要が減退する中、シャープは強気の姿勢を変えずに亀山パネル工場のフル操業を続けた結果、9月末のパネル在庫は3月末に比べて大幅に増加しているのが実態だ。下期に入って以降、その積み上がった在庫をさばくため、液晶テレビの安値販売を強いられている。

市場規模の大きな北米での値下げが特に顕著で、10月に入ると、米国小売り大手ウォルマート店頭では、シャープの32型・液晶テレビの価格が中国ブランド並みの500ドル以下にまで低下。同じく米国の会員制ディスカウンター最大手コスコに至っては、11月中旬から12月前半までの期間限定で、シャープ製液晶テレビの大々的な特売を展開中だ。その特売の中身を見ると、42型が相場よりもはるかに安い799ドル、52型と32型のセットで1799ドル、46型が2台で1999ドル--といった従来の常識を超えた過激な内容になっている。

大手量販店といえども、メーカーの協力なしに、ここまで低い価格設定は不可能だ。「シャープは動きの鈍い大型サイズをさばこうとして、破格の条件を流通に提示している」(大手電機メーカーの米国販社幹部)。テレビ用液晶パネルについても、一部のテレビメーカーに対しては、相場を下回る価格を提示している模様だ。こうしたテレビ、パネルの在庫処分コストが膨れ上がり、下期は液晶関連事業の大幅な採算悪化が避けられない。

本業の収益悪化に加え、今期は特別損失も膨らむ。昨年の資本・業務提携でパイオニア株を3000万株保有(取得総額322億円)したが、取得原価は1株当たり1073円。その後、パイオニアの株価は当時の5分の1にまで下落しており、11月28日の終値で計算すると、260億円近い含み損を抱えている。また、液晶ディスプレイの価格カルテルで米司法省に120億円の罰金を支払うことも確定した。

「東経オンライン」は、その双方を特別損失として今期業績予想に織り込んでいる。
(渡辺 清治)


《東洋経済・最新業績予想》
(百万円)    売 上  営業利益 経常利益  当期利益
連本2008.03  3,417,736 183,692 168,399 101,922
連本2009.03予 3,300,000 70,000 45,000 9,000
連本2010.03予 3,350,000 50,000 30,000 18,000
連中2008.09  1,562,427 50,759 37,548 28,011
連中2009.09予 1,520,000 25,000 15,000 9,000
-----------------------------------------------------------
         1株益¥ 1株配¥
連本2008.03  93.2 28 
連本2009.03予 8.2 28 
連本2010.03予 16.4 28 
連中2008.09  25.5 14 
連中2009.09予 8.2 14 

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