2014年の注目テーマは「低金利をより長く」 新FRB議長就任後の期待
[ニューヨーク 25日 ロイター] -今年は米連邦準備理事会(FRB)による量的金融緩和の縮小時期で市場の話題はもちきりだが、FRBの新トップが就任すれば、2014年の注目テーマは「低金利をより長く」になりそうだ。
13年には何度も価格暴落が予測された債券市場だが、実際には暴落しなかった。その債券市場にとって、低金利の長期化は利回りも低水準を維持するのが可能なことを意味する。指標となる10年物米国債の利回りは既に今年5月につけた安値から100ベーシスポイント以上も上がっており、利回りはもし上昇するようなことがあっても、大きく上がることはないだろう。
ING・USインベストメント・マネジメントの米国債トレーダー兼グローバル金利部門ポートフォリオマネジャー、ジェイク・ローリー氏は「次期議長候補ジャネット・イエレン氏のFRBは、今後さらに数年、フェデラル・ファンド(FF)金利をとても低い水準に維持することを打ち出すだろう」と指摘。「低金利を約束するということは、量的緩和縮小の正確な開始時期よりもずっと重要なことだ」と語る。
イエレン氏は、今月の上院銀行委員会での証言で、経済成長に拍車をかけるため、FRBが強力な手段を講じることを擁護し、雇用増加の努力を急がなければならないとした。退任するベン・バーナンキ議長も先週、将来の金融政策正常化への道は、いま大きな刺激策を講じることによって開かれると語った。
「連邦公開市場委員会(FOMC)、特にイエレン氏のFOMCは、与えられた使命のうち雇用に大きな比重を置き、FRBが目指す水準まで失業率が低下するには長い時間がかかる」。ゴールドマン・サックスのチーフエコノミスト、ジャン・ハッチウス氏はこう指摘し、FRBが、短期金利をゼロ近辺から引き上げる際の基準として示している6.5%の失業率(現在は7.3%)を、6%に下げると予想している。それは、14年もリスク資産運用にとって良い年となり、より安全な固定利付き商品での資産運用には難路となることを意味する。
「FRBがゼロ金利を追求する限り、フィクストインカム(固定利付き)のポートフォリオでは、7─8%のリターンは不可能だ」とイートン・バンス・インベストメント・マネジャーズでグローバル・インカム・グループの共同ディレクターを務める、エリック・スタイン氏は話す。13年は、ジャンク債だけが高リターンを生み、投資適格の社債や米国債の多くのクラスは損失を出した。
「ゼロ金利からの離脱どころか、FRBが量的金融緩和の縮小を考えるには景気は弱すぎる」とブラックロックのチーフ・インベストメント・ストラテジスト、ジェフリー・ローゼンベルク氏。