アリババが「独身の日」を機に目指す新境地 オン・オフの連携を強化

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アリババは「独身の日」を機に新しい挑戦を行う(写真:REUTERS/Aly Song)

アリババ(阿里巴巴)は11月11日「独身の日」(光棍節:中国最大のショッピングホリデー)を利用して、eコマースと店頭販売の境界線をあいまいにすることを狙ったプログラム「ニューリテール」を推進している。

この記事はデジタルマーケティング戦略に特化したメディア「DIGIDAY[日本版]」(運営:メディアジーン)の提供記事です

独身の日に向けたオンライン/オフライン・プロモーションのひとつは、デジタル版の「紅包」(アンパオ:中国のご祝儀の一種)だ。

このデジタル版「紅包」はギフトカードのようなもので、ネットで購入され、店舗で払い戻される。ポップアップストアのテストを行っている小売業者もいる。化粧品大手のロレアル・チャイナは、独身の日に向けた仮設店舗のネットワークをオープンしており、各店舗には拡張現実(AR)技術を採用したお試しミラー(ユーザーのTモール[天猫]プロフィールに接続され、商品を保存する)や、アリペイ(支付宝)を装備した商品自販機が設置される。また顧客は、店舗でのヘアドレッシングの予約を取ることもできる。

独身の日のプロモーションはフードサービスにも

ニューリテールの推進により、独身の日のプロモーションは地元のフードサービスにも拡大している。中国国内11都市にあるスターバックス各店舗は、アリババのフードデリバリーサービス、ウーラマ(餓了麼)とダッグを組み、独身の日当日、顧客にオンデマンドのドリンクを配達し、オンライン注文の増加を狙う。一方の買い物客も、ブランドやTモールの店舗で限定のプロモーションを目にしたり、コードをスキャンして、あとでオンライン特典を受け取るようにすすめられたりする見込みとなっている。

各ストアはニューリテールの機能を自身のニーズに合わせられるが、何と言っても、そのメインツールのひとつは、店舗で商品をオンラインカートに追加したり、商品ページを読んだりするための、QRコードによるプロダクトスキャニングだ。このツールは中国での認知度が低いブランドにとって特に重要だ。

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