アリババが「独身の日」を機に目指す新境地 オン・オフの連携を強化

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ほかにも、このホリデーショッピング期間に展開が予定されているカスタマーサービスの新要素がある。アリババの「DingTalk」(Slack風のメッセージングプラットフォームで、メールアドレスにはつながっていない)は高級小売店で使用され、顧客と店員をつなぐことになっている(いわば、WeChat[微信]の顧客アウトリーチプラットフォームのようなもの)。

これにより、顧客は商品の再入荷を確認したり、別の店舗で商品を見つけ、Tモールのプロフィールを使って、それを直接配達してもらったりといったことが可能になる。

エンゲージメントを向上

アリババによれば、高級ブランドは独身の日のプロモーションを行なっていないため、カスタマーサービスのケイパビリティーをオンラインとオフラインで推進することで、エンゲージメントを向上させているという。

「アリババのインストア技術へのフォーカスは、アリペイやフードデリバリーサービス、eコマースプラットフォームを介したオンラインとオフラインの継続的統合を後押ししてきた。いまや商品の購入や返品は簡単に行えるようになっている。そしてこれが、中国の小売店へのフットトラフィックを増加させる大きな原動力になっている」と、フィッツパトリック氏はいう。

「また、これによりバーチャルペイメントを採用する店舗も増えている。その結果、決済がスピードアップし、ユーザーはロイヤルティープログラムを介してディスカウントやクーポンなどの特典を受けられるようになっている」

Hilary Milnes (原文 / 訳:ガリレオ)

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DIGIDAY[日本版]編集部

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