「徴用工の勝訴」は用意周到に準備されていた 判決の背後には文大統領の意思も見え隠れ

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4人は2005年2月にソウル中央地裁に提訴したが、裁判所が2008年4月に日本の裁判が有効と判断したことにより敗訴。ソウル高裁に控訴したが、2009年7月にまたもや敗訴している。

形勢が変わったのは2012年5月の大法院判決だ。韓国大法院は「反人道的不法行為や植民地支配と直結する不法行為による損害賠償は、日韓請求権協定の適用対象に含まれると見るのは難しい」と判断し、控訴審の破棄と審理差し戻しを命じた。これを受けてソウル高裁は2013年7月に元徴用工1人あたり1億ウォンの賠償を認めたが、それを不服とした新日鉄住金が再上告。5年以上を経て今回の大法院判決が出されたということになる。

なぜ司法の判断が変わったのか

なぜ2012年の大法院の判決以降に司法の判断が変わったのだろうか。それは2011年に憲法裁判所が慰安婦問題について、「韓国政府が日本政府と交渉しないのは人権侵害で違憲」と判断したことがきっかけになっているのではないだろうか。

実際、この少し前から、アメリカなどで韓国の民間団体による慰安婦の像や碑の建設が相次ぎ、反日感情が高まっていた。それに乗じて支持率を回復しようとしたのが、実兄が斡旋収賄で逮捕されたり土地不正購入疑惑が発覚したり、とスキャンダルに悩んでいた李明博大統領(当時)だ。

李大統領は2011年12月の日韓首脳会議で野田佳彦首相(当時)に慰安婦問題の解決を迫り、2012年8月には大統領として初めて竹島に上陸した。ちなみに李大統領の竹島上陸をきっかけに、政府関係者の竹島上陸は今日まで続き、10月22日には13名の超党派の国会議員が行政監察のために上陸している。

こうした政治背景の中で、出たのが2012年5月の大法院判決である。韓国の司法は政治の影響を受けることが多いとされる。今年10月27日に韓国検察が林鍾憲前法院行政処次長を逮捕したのは、大法院が朴槿恵政権の意向を汲んで徴用工の民事訴訟の進行を遅らせた容疑があったためだ。実際にその3日後の10月30日まで、5年以上にわたって大法院の判決は出されていなかった。

政権の影響を受けやすいという事情をよく認識し、しかもその影響力を積極的に行使しているのが、現在の文在寅大統領かもしれない。文大統領は2017年9月に金命洙前春川地方裁判所長を大法院長に任命したが、大法院判事を経験したことのない裁判官を長官に抜擢するのは前例がないことだった。

しかも人事聴聞会の報告書には、反日反米の裁判官の集団である「ウリ法研究会」の会長を務めた金氏の政治的信条から「司法の中立性」について疑問視する意見も付されていた。

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