地獄島?韓国映画「軍艦島」で広がる波紋 いったいどこまでが事実なのか
8月18日、軍艦島の愛称で知られる長崎県の端島炭坑を団体客が訪れた。記念撮影に収まる彼らの手には、こんなメッセージボードがあった。
「日本人は朝鮮人を強制徴用したことを謝れ」
韓国の光州市議団だった。長崎市によると、8月以降、軍艦島に「韓国人観光客は増えてきている」(観光政策課)という。その背景にあるのは韓国で上映されている映画「軍艦島(グナムド)」だ。劇場リーフレットには「“地獄島”軍艦島、命を懸けた脱出が始まる」とある。第2次世界大戦末期の1945年に端島炭坑で働く朝鮮人徴用工(労働者)のストーリーだ。
長崎市長も苦言
その内容は「日本で金を稼げる」とだまされて連れてこられた朝鮮人徴用工が、暑さと飢えのなか、海底1千メートルの採掘場で働かされ、金銭的な搾取や拷問を受けるシーンもある。そうした事実を隠すため、日本人が朝鮮人徴用工を坑道に閉じ込めて爆破しようとするが、これを察知した朝鮮人徴用工が軍艦島から脱出を図るというもの。映画の冒頭では史実をもとに制作されたと説明が入る。
長崎市の田上富久市長は市議会で映画について、「島は決して地獄島と表現されるような状況ではなかった」と苦言、日本国内でも波紋が広がっている。